19店が軒を連ねる飲食店街「渋谷横丁(渋横)」が8月4日、渋谷「MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)」(渋谷区神宮前6)内の商業施設「RAYARD(レイヤード)MIYASHITA PARK」South1階にオープンする。運営は「恵比寿横丁」など小規模飲食店を集積した「横丁」のプロデュースなどを手掛ける浜倉的商店製作所(中央区)。
同施設を手掛ける三井不動産から6年前に「横町をつくってほしい」と話を受け開発した同所。JR線線路沿いで約70年営業している飲食店街「渋谷のんべい横丁」に地階エリアで展開し、全長100メートル(約1000平方メートル)の空間に19店を展開。総席数は店内1200席、テラス350席の計1500席。これまで同社が手掛けてきた「横丁」シリーズの中でも最大規模となる。
空間内は「商店街」をイメージし、各店が中華料理店やパチンコ店、駄菓子店、ミルクホール、銭湯などを改装したような店構えになっている。床はアスファルト風で、マンホールや白線なども描いているほか、最北の一角には北谷稲荷神社の札を分けてもらいまつった「渋谷神社」も設置した。エンターテインメントを取り入れているのが特徴で、フロア内にはサイネージ100個を設置し、各地の祭り映像や番組などを流す。「横丁広場」にはDJブースを用意し、DJのパフォーマンス、各地の祭りなどのイベントも展開していく予定。渋谷駅前スクランブル交差点の薬局「三千里薬品」の街頭ビジョンと連動し、フロア内の映像などが同ビジョンに流れるようになっている。
日本全国の「おいしいもの」を一堂に紹介する同所。かねて地方や産直飲食街を展開する中でできた生産者とつながりから実現した「集大成ともいえる」プロジェクトという。ショッピングセンター内という立地からメニューは食事をメインに構成し、郷土料理やB級グルメ、丼、麺など「ソウルフード」を中心に提供する。
地域や国名と「食市」と名付けて出店する地域酒場は13店。いくらやかになどをトッピングする「北海道海鮮4色丼」(1,999円、北海道)、「盛岡冷麺」(799円、東北)、オムライスの上にえびとかじきのフライをのせる「ハントンライス」(999円、北陸)、「宇都宮餃子(ギョーザ)」(5個599円、関東)、「フカヒレあんかけご飯」(1,799円、横浜)、「京都にしんそば」(699円、近畿)、「串カツ」(盛り合わせ5本699円、近畿2)、「味噌(みそ)かつ」(1,299円、東海)、「鰹(かつお)の塩たたき」(999円、四国)、「とらふぐてっさ」(1,399円、中国)、「長浜ラーメン」(899円、九州)、「タコライス」(899円、沖縄)など。広島東洋カープのヘルメット型のボウルや、消化バケツ風のボウル、風呂おけなどに各地の酒を入れる「乾杯ドリンク」を各店で用意する。
このほか、魚介や肉など産直食材を提供する居酒屋3店舗や」、ワインやハイボールなどのドリンクやタパスなどを提供する「渋谷バル」も展開。2階に位置する「純喫茶&スナック思ひ出」は二毛作で、昼は喫茶、夜はスナックとして営業し、店内にはカラオケ用のミニステージも用意。各地の「ご当地ママ」をゲストとして招く企画も展開していく予定。店頭に国技館に飾られていた白鵬関の本物の優勝額を装飾する「力士めし 萬」では、元力士が作る「ちゃんこ鍋」(塩・みそ・しょうゆ、丼1杯各599円)などを提供する。(価格は全て税別)
どこの店にいても横町内各店の料理をデリバリーで頼むことができる。既存の同社の横町の客単価は3,500円程度だが同所はもう少し低くなる見込み。商業施設の屋上が公園になっていることから各店でテークアウトも行う。オープン時は丼とラーメンを用意し、追って各地のご当地飯を盛る弁当メニューなどを増やしていく予定。
本来24時間営業を予定していたが現在の情勢を踏まえて、当面は11時~23時で営業。落ち着いてから24時間営業を始めたい考え。消毒液の用意や入店時の検温、客席にパーティションの設置、席数を約半分にして営業するなど対策を講じて営業する。