原宿警察署は、特殊詐欺被害などの新たな防止策として、被害を未然に防いだ人に対してポイントを付与する「見破り名人」制度を新たに導入した。
「見破りカード」の初の「交付式」を7月16日に行い、制度を開始。住民の防犯に対する意識を高め、犯罪を起こさせない環境づくりに向け地域全体で取り組んでいこうと、特殊詐欺のほか、「泥棒を目撃した」「落書きしている人を見つけた」「ひき逃げ車両のナンバーを見た」などの犯罪に関する情報提供に関してもポイントを付与する。
見破りカードは、下から「先生」「師範」「名人」の順にランク付けし、1種類につき2ポイント達成すると上位のカードに「昇格」する。カードは、原宿警察署の受付や交番をはじめ、各町会を通じて配布していく予定で、各カードのポイント達成の都度ランクに応じて認定証を授与する。
同日行われた初の認定式では、西武信用金庫の女性職員1人と、管内居住の男性1人の計2人を見破り先生に認定。女性職員は、窓口で高齢男性が大金を下ろそうとした際に詐欺と気付き通報。男性は6月に自宅に掛かってきたアポ電を見破ったことから、それぞれ見破りカードに1ポイントを付与し交付した。
警視庁では現在、特殊詐欺被害防止対策として留守番電話機能の設定や、自動通話録音機の設置を推奨するなど、「守りの防犯意識」の徹底を図る一方、自営業者のように掛かってきた電話に出なければいけない世帯もあり、特殊詐欺被害は依然として深刻な状況にある。同署では、見破りカードを持つことで、「だまされない」との気概を醸成し、犯罪見破りの積極的な動機付けにつなげ、「攻めの防犯意識」を持ってもらうことで、アポ電や犯罪の目撃情報に関する通報を促す狙い。