伊映画監督フェデリコ・フェリーニ生誕100年を記念した「映画祭」が7月31日から、恵比寿ガーデンプレイス(渋谷区恵比寿4)内のミニシアター「YEBISU GARDEN CINEMA(恵比寿ガーデンシネマ)」で開催される。
1920年、伊リミニ生まれのフェリーニ。新聞記者を経てユーモア雑誌の編集部で漫画やコラムを担当後、ラジオ寸劇や映画用のギャグを執筆し始め、チネチッタ(映画撮影所)で映画作りを手伝うようになる。1945年、ロベルト・ロッセリーニ監督の「無防備都市」の脚本を担当し、1950年にはアルベルト・ラットゥアーダとの共同監督作「寄席の脚光」で監督デビュー。1952年には初の単独長編監督作「白い酋長」を発表、翌年には「青春群像」でベネチア国際映画祭の銀獅子賞を受賞。続く「道」(1954年)はアカデミー賞外国語映画賞を受賞するなど世界的にヒットを記録。以降、計4度のアカデミー賞外国語賞を受賞したほか、1960年には「甘い生活」でカンヌ国際映画祭パルムドールを獲得。ベネチア国際映画祭の特別功労賞や、アカデミー賞名誉賞を受賞するなど功績を残した。
生誕100年を記念し開催する映画祭では、代表作9作品を上映。うち8作品は、日本では初めて4Kデジタルリマスター版で上映するという。上映するのは、リミニを思わせる地方都市を舞台に定職を持たずに「いい加減な」生活を送る青年5人の物語「青春群青」、旅芸人のパートナーとして買い取られた女の「心の旅」を描く「道」、フェリーニの妻である女優ジュリエッタ・マシーナが裏切りや苦難に巻き込まれながらも明るさを失わない「夜の女」を演じカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した「カリビアの夜」、上流階級・カトリック教会・知識人・芸能人たちの退廃的な生活を絢爛に描く「甘い生活」、フェリーニが幼少期を過ごした1930年代のリミニでのエピソードを盛り込んだ作品で原題は「私は思い出す」を意味するロマーニャ地方の方言の造語を付けた「フェリーニのアマルコルド」など。
鑑賞料は1,300円ほか。8月20日まで。