吉本興業の芸人が描いた作品を展示する「よしもと美術館サテライト展」が7月17日、東急プラザ渋谷(渋谷区道玄坂1)で始まった。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う休館から6月1日に営業を再開した同館。多くの人を集めるイベントが難しい中、渋谷に来る人たちに「少しでも楽しみ、笑顔を提供できれば」(総支配人の長尾康宏さん)と考えていたところ、吉本興業から提案があり同展を開催するに至ったという。
同館はかねて40~60代を中心とした「大人」をコアターゲットに据えているが、若年層の来館も増えていることから「幅広い世代にいろいろなものを感じていただける」と感じたほか、お笑いに詳しくない人にも「新たな発見・情報を提供できるのでは」と考えた。
参加する芸人は6人で、それぞれ異なる階のパブリックスペースに展示する。お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんの作品4点は2階のエントランスフロアに展示。新型コロナウイルス感染症の自粛要請期間中に描いた新作「みんなで地球」は、コロナ禍で地球の将来が見えない中「自然・動物・人間みんなでバランスを取りながらみんなで生きていきたい」と、人やカエル、アジサイなどを描いた。
お笑いトリオ「ロバート」の山本博さん(3階)は、メンバーの秋山竜次さんからの「むちゃぶり」で描き始めた5コマ紙芝居5作品を展示。作品にはQRコードを付け、読み聞かせ用の音声を聞くことができるようにした。子どもの頃から「絵を描くのは好きだったっぽい」お笑いコンビ「プラス・マイナス」の岩橋良昌さん(4階)は新作「名古屋コーチン 反逆軍の王」をはじめ、「魔法の力で圧倒的な強さを手に入れたライオン」「日本に初めて降り立った南国の伝説トンボ」など生き物を描いた作品11点を展示する。
「人々を笑顔にする」ことをコンセプトにした作品を描く「たいぞう」さん(6階)は最多の15点を展示。たいぞうさんが絵を担当し、デビュー曲「home」で知られる歌手・木山裕策さん、作編曲キーボーディスト・西村直人さんとコラボレーションした曲「生きて」に合わせて描いた作品など7月に描いた新作も並ぶ。ピン芸人・佐久間一行さん(7階)は、紙芝居のようにイラストを描いたフリップボードを使うネタ「エライ人」のイラストなどを展示している。8階には、お笑いコンビ「麒麟(きりん)」の川島明さんのオリジナルキャラクター「うつむきくん」のイラスト8点が並ぶ。
長尾さんは「素人目の私が見ても、楽しくなるし力強さがある作品が多いと思うので、渋谷に来られることがあれば立ち寄って作品を見ていただければ。同時に、館内を回っていただくだけでも発見がある施設ということを感じていただけると思うので、まずは来て・見てほしい」と話す。
営業時間は11時~20時(2階・6階・7階は22時まで)。今月26日まで。