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渋谷の生ビール「渋生」酵母3種を「クロス」させ独自の味わい目指す

発起人の五十嵐糸さん(左から2番目)らプロジェクトメンバー

発起人の五十嵐糸さん(左から2番目)らプロジェクトメンバー

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 渋谷の生ビール「渋生」を造るプロジェクトが進んでいる。

渋谷区観光大使でもあるZeebraさんらも試飲会に参加した

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 「クラフトビールが大好き」というビアジャーナリストの五十嵐糸さんが発起人となり、昨年末ごろから進んでいる同プロジェクト。クラフトビールは、地域の特産品を使った商品もあり、「その土地と関わりが深い飲み物」(五十嵐さん)であり地域をアピールする商品でもあることから、「ビールを通して渋谷を盛り上げたい」と、かねて自身が住んでいる渋谷で造りたいと考えていたという。

 プロジェクトには、一般財団法人渋谷区観光協会、都内を中心に酒類を卸している老舗問屋コンタツ(中央区)、「コエドブルワリー」を展開する協同商事(埼玉県川越市)がメンバーとして参画。協同商事は本来、自社のビール以外、定番で造るビールの製造委託は受けていないが、話を受けた際、「熱量、思いを持っている人たちがやっているプロジェクト」(同社カスタマーコミュニケーションチームリーダーの松永将和さん)と感じ、参加を決めたという。

 渋谷らしいビールを造る上でコンセプトに掲げたのは「ダイバーシティ&インクルージョン」。渋谷には副原料にできる特産品が無い中でコンセプトをどう表現をするかを検討。国籍や性別などに関係なく、「あらゆるものがクロスすることが、渋谷という土地がもつパワー、特性」(松永さん)と考え、ビール酵母と日本酒酵母、ワイン酵母を掛け合わせる(クロスさせる)ことに行き着いたという。同社としてもこの3種類の酵母を掛け合わせることは初めての試みで、「掛け合わせて何が起こるか分からない。知見が無い」のが難しい点だったという。

 7月14日には「皆で造るビールにしたい」と、区内の飲食店や酒店、商店会、区長や区議会議員らを招き開発途中のビールの試飲会を実施。それぞれ3種の酵母を使いながら、麦芽の種類や使う比率などを変えたビール3種類を用意。アンケートを行い、コンセプトに合った味を探った。今後、アンケート結果を基に、麦芽の組み合わせやホップの量、投入するタイミングの微調整などをして完成させていくという。

 「渋生」は、「街に来てほしい」と区内限定で販売・提供する。区内の飲食店での提供や、土産店などでの販売を予定する。土産用に用意する瓶ビールには、渋谷に事務所を構えるアートディレクターの千原徹也さん(れもんらいふ)がデザインしたラベルを貼る。ラベルには渋谷駅前スクランブル交差点やモヤイ像、街並みなど渋谷にまつわるものを描いている。

 五十嵐さんは「プロジェクトに賛同してくれる渋谷に関わる方が多いことにと手応えを感じている」と言い、「渋谷に暮らす方、働く方、来街する方それぞれに、渋谷に来たら飲食店で『渋生ください』と言われるような愛されるビールにしたい」と意気込む。

 発売は9月中旬を予定。

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