渋谷区は6月25日、新型コロナウイルス感染対策として新たな生活様式が求められる中、スタートアップ企業や大学、研究機関などから技術やアイデアを募集する新事業「Innovation for New Normal from Shibuya」を立ち上げた。
「ニューノーマル(新たな日常)」への適応や問題解決に向け、さまざまな分野で技術・アイデアを募り、区の担当部署や担当者と速やかにつなげることで迅速な社会実証を目指す。同日、専用サイトを開設。日英に対応した応募フォームでエントリーを受け付ける。
区では、小売りや飲食店、観光などの分野での新たなアイデアや、遠隔による学校教育などを事例に挙げ、アイデアを採択した際には区担当部署とのサービス開発に向けた調整や実証実験の実施協力、区のネットワークによるパートナーとの協業支援、成功モデルについての早期実装サポート、ベンチャーキャピタルなど投資家によるメンタリング、協賛企業からのリソース・資金支援などを予定している。
長谷部健渋谷区長は「渋谷区は『多様性』に重きを置いたまちづくりを推進している。ニューノーマルの中でも、多様な人々がそれぞれの思いをかなえられる社会を共に創っていきたい」とし、「この困難をチャンスに変え、社会を豊かにするテクノロジー、ソリューションを」などと応募を呼び掛ける。
スタートアップ・エコシステムの構築や渋谷区の国際化に向けた組織体制強化のため区が今年1月に立ち上げた新部署「国際戦略推進担当」についても触れ、「このプロジェクト以外にも、渋谷から社会にインパクトを与えるイノベーションやスタートアップ企業が生まれるよう、取り組みを加速していく」と意気込みを見せた。長年シリコンバレーで勤務しスタートアップ企業の副社長などを務めた田坂克郎さんが同担当課長を務める。
アイデア募集は、応募状況に応じ締め切りを設定する。