シェアリングサイクルサービス「LUUP(ループ)」が5月25日、渋谷区などで提供を開始した。
2018(平成30)年に創業したLUUP(渋谷区東1)が手掛けるサービスで、街なかで運用するのは初めてとなる。通勤や買い物、観光、サイクリングなどさまざまな用途で短距離移動のニーズがあると判断し、渋谷などからサービス提供を始めた。
開始時のポート(モビリティーのレンタル・返却ができる場)数は57カ所(渋谷区内は24カ所)で、導入機体は安全性に配慮し50台と制限。各ポートに1~2台置くようにするが、利用状況などを見て配分を変えていく。使うモビリティーは自社開発した小型電動アシスト自転車「LUUP Cycle Lite(ループサイクル・ライト)」で、ポートを「高密度」に設置するため全長110センチと小型に設計。ポートの場所は駐車場の空きスペースや飲食店・アパレルショップの店頭などさまざまで、置ける台数も1台~10台程度と幅広い。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、当初の予定より前倒しにサービスを開始したという同サービス。「3密(密集・密閉・密接)」を避けられる移動手段でもあることに加え、コロナ禍で飲食店のテークアウト・デリバリー需要が増えたことからポート設置箇所の半数以上を飲食店店頭にし、来店客だけで無くスタッフが配達する際にも利用できるようにした。
ポートは今夏には2倍以上に増やす予定で、機体の台数も順次増やしていく考え。多くの人が慣れ親しんでいることなどから自転車から始めたが、将来的には海外で普及が進んでいる電動キックボードや、シニアカーなど複数のマイクロモビリティーも導入したシェアサービスを目指している。
アプリは、立ち上げると地図上にポートの場所が表示される。利用時はモビリティーのQRコードをスキャンすることでロックを解除でき、事前に返却場所を指定することで返却スペースが無く困るというケースを無くす。限られたスペースをポートとして活用している場所もあるため、「きれいに利用してもらいたい」と、返却時はポートの写真を撮って利用終了となる。この仕組みは、体調不良などでポートにモビリティーを返却できない際、乗り捨てた場所を写真で知らせることで同社がモビリティーを回収する際にも活用する。
利用料は10分100円(以降は1分15円)。アプリ提供はiOS版のみで順次Android版も対応予定。