Bリーグ2019-20シーズンを戦ったサンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)の選手たちの去就が出そろった。
Bリーグ開幕に合わせて渋谷区をホームタウンとし、青山学院記念館(=大学体育館、渋谷区渋谷4)をホームアリーナとして活用しているSR渋谷。契約更新を明らかにしていた元NBAプレーヤーのロバート・サクレさんが現役引退したこともあり、約半数の7選手が新規加入となった同シーズンは、個ではなくチームで一つになり戦うという思いを込めた「結(ゆい)FIGHT AS ONE」をスローガンに掲げシーズンを迎えた。試合を通して前線から激しくプレッシャーをかけるディフェンスや、時には出場選手5人を一斉に入れ替える大胆な選手の起用などを見せ、27勝14敗と東地区4位でシーズンを終えた。新型コロナウイルスの影響でシーズンは途中で中断となったが、天皇杯優勝という功績を残した。
契約更新を決めたのは、最前線で体を張ったディフェンスを見せ同シーズンの「ディフェンダー賞」5位にランクインした関野剛平選手、リバウンドなどゴール下で体を張ったチャールズ・ジャクソン選手、アグレッシブなディフェンスやフィジカルを生かしたリバウンドなどで貢献した高身長ポイントガード渡辺竜之佑選手、流れを変えるプレーやムードメーカーとしてベンチを盛り上げるSR渋谷4季目の山内盛久選手など11人。2シーズンSR渋谷で特別指定選手としてプレーした盛實海翔(もりざね・かいと)選手はSR渋谷でプロキャリアをスタートすることとなった。
NBL時代含めチーム最長在籍8年目となる広瀬健太選手は「(新型コロナの影響で)先行きが不安な部分がまだまだ多いが、皆さんと一緒に感動を共有できることを思い描いて頑張る」とコメント。チーム最年長の野口大介選手は、2020-21シーズンの日程などが不確定な中「シーズンインに向けて準備をして、万全な状態で皆さんの前でプレーできるように、日々の行動を大切にしていきたい」とも。
同シーズン、「スティール王」「ベスト5」8位、「ディフェンダー賞」2位など活躍したチーム5年目となるベンドラメ礼生選手は「新型コロナウイルスが終息したら、次は僕たちアスリートが日本を元気にする番。サンロッカーズの年にしよう」と意気込み、得意の3ポイントシュートや攻撃的なディフェンスで貢献した石井講祐選手は「まだまだ成し遂げたいことが山ほどある」と言い、「悲願のリーグ優勝に向けて激しく戦っていきたい」と闘志を燃やす。
エースの一人として高い得点力や「バスケIQ」でチームを引っ張った元NBAプレーヤーのライアン・ケリー選手は3シーズン目を迎えることに。2019-20シーズンを「サンロッカーズは大きな一歩を踏み出すことができた」と振り返り、「やり残したことがある、あのゲームコートに一日も早く戻ることが楽しみ。また会いましょう」とファンにメッセージを寄せた。田渡修人選手はシーズン中断や無観客試合などに触れ「(ファンの)声援やサポートが無ければ、僕たちの試合は完成されない」と感じたと言い、「2020-21シーズンも優勝目指して一緒に戦ってください」と呼び掛ける。
契約満了を発表したのは3選手。2季在籍したファイ・サンバ選手は「コート内外でサンロッカーズというチームでたくさんのことを経験し、勉強できたことを忘れることなく、私の次のステップと今後の人生に生かしていきたい」とコメントを寄せた。Bリーグ参戦初年度で「ベスト5」10位に入ったほかオールスターゲームでは「ダンクコンテスト」で優勝するなどインパクトを残したスペイン代表のセバスチャン・サイズ選手は「自分を受け入れてくれ、数々の素晴らしい思い出を共有できたファンの皆さんを忘れることはない」と感謝を表現した。特別指定選手期間含め4季在籍した杉浦佑成選手は島根スサノオマジックへの移籍が決まっている。