普段の生活よりも増えたのは「SNSの閲覧」――10代~20代に特化したマーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)」が5月12日、「おうち時間の過ごし方」の調査結果を発表した。
「SHIBUYA109 lab.」は、ファッションビル「SHIBUYA109」(渋谷区道玄坂2)を運営するSHIBUYA109エンタテイメント(道玄坂1)が取り組む活動。今回は4月中旬に、アラウンド20(20歳前後)の女性へのウェブアンケート(有効回答数167)と、高校生・大学生を対象とした「日記調査」(有効回答数19)を行った。
外出自粛によって、普段の生活よりも費やす時間が増えたのは「SNSの閲覧(57.5%)」が最多で、過去の旅行写真を見返す(「おうち時間中に取り組んだこと」1位の46.7%)人も多いという。時間の使い方としては、菓子作りなどの料理(同2位の43.1%)、「インフルエンサーのライブ配信」(同3位の39.5%)などが上位で、費やす時間が増えた「動画ストリーミング視聴(52.1%、2位)」、料理(自炊・おうちカフェ、34.7%、5位)にひもづく結果となった。
費やす時間が増えた「テレビ視聴(37.1%、3位)」では、再放送しているドラマ「野ブタ。をプロデュース」や、4月から予定通り放送が続いている「美食探偵 明智五郎」、バラエティー番組「有吉の壁」「マツコの知らない世界」を見ていたという回答が多かった。
自宅で過ごす時間が増えたことでスマートフォンを使う時間も「いつも以上に増えて」いる。費やす時間が増えたSNSの中ではユーチューブが47.9%と最も増えたといい、日記調査では、期間限定公開されたアーティストのライブ映像や、ストレッチ、エクササイズの動画視聴も増えている。
外出自粛期間に「新たに使い始めたSNSやアプリ」として上位に挙がったのはビデオ会議アプリ「Zoom」をはじめとしたウェブ会議アプリ。日記調査でも、ビデオ通話をしながらユーチューブやTikTok(ティックトック)の動画を共有したり、友人と筋トレやゲームをしたり「体験を共有する行動」が多く見られたという。
アラウンド20の「巣ごもり消費」として、外出自粛期間中は29.3%が普段より通販利用が増えたと答えた。購入しているカテゴリーは、「ファッション・アクセサリー(64.5%)」、「コスメ(25.2%)」「ヲタ活グッズ(14%)」「食品・飲料(13.1%)」「スキンケア・ボディケア(12.1%)」と続く。
外出自粛期間終了後には「友達と会いたい」「ライブ、旅行に行きたい」「学校に普通に通って、部活して、アルバイトをしたい」などの声が挙がったという。
同ラボの長田麻衣所長は、外出自粛により「アラウンド20の間でオンライン上での公開コミュニケーションが活発化していること」に注目。「相手との関係値に」合わせ、LINEのビデオ通話やZoom、インスタグラムのライブ配信などを併用していることに触れ、「複数アカウントの運用など、もともと相手とのコミュニケーションの距離感を調節するのが上手な彼女たちの間で、今後もオンライコミュニケーションはさらに定着していくでしょう」と分析する。