渋谷区は5月9日から、17時に防災行政無線で定時放送している音楽を「春の小川」に期間限定で変更する。
「春の小川」は、代々木地区を流れ、渋谷川につながっていた河骨川(こうほねがわ)が舞台となったとされている。代々木に住んでいた国文学者・高野辰之が作詞し、作曲は岡野貞一が手掛けている。河骨川は現在暗渠(あんきょ)となっているが、「渋谷はるのおがわプレーパーク」(渋谷区代々木5)近くには歌碑が設置されている。
区内では毎年5月の第2土曜に「『春の小川』合唱祭」が開催され、代々木山谷小学校の生徒や地域住民が同曲を合唱している。2002(平成14)年の区政70周年事業に合わせ始まった同祭は今年、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となったため、同祭を共催する区が「何か協力できないか」と検討し、定時放送で流すことを決めた。
定時放送は防災行政無線が動くかどうかを確かめる目的で行っているもので、従来は童謡「夕焼け小焼け」を流している。楽曲を変えるのは初の取り組み。音源は、高野辰之の出生地である長野県中野市で実際に放送されているものを、高野のひ孫の高野良之さんから提供を受けた。長さは1分弱。
今月16日まで。