4月28日は「4(し)・2(ぶ)・8(や)の日」――新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令から3週間がたち、渋谷エリアでは例年ハチ公広場などで行っているイベントも中止となり、平日・休日共に多くの人が行き交うスクランブル交差点にも人けが無く、にぎわいのある光景は見られない。
渋谷駅周辺では、東京都から週末の外出自粛要請が出された3月28日以降、商業施設や劇場などが相次いで営業時間の短縮や臨時休業を決定。続く4月8日の緊急事態宣言発出を受け、各店や施設が同日から5月6日までの休業に踏み切った。
渋谷駅周辺の再開発の目玉の一つとして昨年開業した駅直上の「渋谷スクランブルスクエア」(渋谷区渋谷2)や、同施設屋上の展望空間「渋谷スカイ」をはじめ、SHIBUYA109(道玄坂2)や渋谷パルコ(宇田川町)など若者を集客する施設や東急百貨店本店(道玄坂2)などの百貨店も軒並み休業。渋谷ロフトや東急ハンズ、SHIBUYA TSUTAYA、H&M渋谷店などの店もシャッターを閉め、通常は買い物客や観光客らでにぎわう街の駅の人出は激減している。
商業施設などが休業し来街者が大幅に減る中、「ビットバレー」と呼ばれ渋谷エリア周辺に集まるIT企業は、新たなサービスの提供や既存サービスの無償提供などに乗り出し企業の枠を超えたタッグも生まれている。
営業時間の規制や感染リスクで苦境に追い込まれている飲食店では、全国的にも動きが広がっているように、テークアウト・デリバリーメニューの提供を続々と開始。ペーアッシュ パリ ジャポン(港区北青山3)が国内展開するパティスリー「ピエール・エルメ・パリ」や、恵比寿ガーデンプレイス内の3つ星・高級フレンチ「ガストロノミー ジョエル・ロブション」など、これまで自宅では食べられなかった高級店も参入した。一方、現在全ての店が休業している渋谷駅東口の飲食店街「渋谷のんべい横丁」は、クラウドファンディングで支援を募っている。
ライブハウス、劇場なども、動画配信などのオンラインサービスで営業再開の時を待つ。映画配給や映画館の運営などを手掛けるアップリンク(宇田川町)は、自社の配給作品60本以上が見放題となる3カ月限定プランや回数券(特典付き)などを用意するほか、老舗ライブハウス「La.mama(ラママ)」(道玄坂1)は公式ユーチューブチャンネルで「THE YELLOW MONKEY」など、ゆかりのあるアーティストのライブ映像などを公開した。
他店に先駆けいち早く休業する方針を明らかにしたSHIBUYA109では、スタッフらが「おうち時間」の様子を公開するほか、公式通販での販売情報などを連日公開。m-floの☆Taku Takahashiさんが立ち上げたインターネットラジオ局「block.fm」(富ヶ谷1)では人気DJらをゲストに招いたライブ配信を行い、初回で約48万人が視聴者を集めるなど、オンラインで客との交流を図り、コロナ禍中だけでなく収束後の集客にも、そのままつなげていきたい考えだ。