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「ソーシャルディスタンディング」をポスターで呼び掛け 渋谷の企業が無料データ配布

席数を減らして営業していることを知らせるポスター

席数を減らして営業していることを知らせるポスター

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 ブランディングデザインを手掛けるバウム(渋谷区神宮前3)が4月6日、新型コロナウイルス対策で営業縮小・形態変更などをしている小規模店舗向けの「ソーシャルディスタンシング(社会的距離)」ポスターデータの無料配布を始めた。

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 同社社長の宇田川裕喜さんは3月、同社の拠点があるデンマークで緊急事態宣言下の生活を経験。街のスモールビジネスにも影響が出たが、一度に入店できる人数を知らせる貼り紙を「バーゲンセールのような雰囲気」で掲出するなど各店が取り組みを行っていた。3月31日にそのアイデアをまとめてブログで公開したところ「明るい見方に出合えた」など反響があったという。

 そこから、「デザイン会社としてもう一歩踏み込んだサポートやヒントの提供」を模索し、今回のポスターに行き着いたという。普段から小規模店舗のブランディングも行っているが、「現場のリソースは普段から限られている」上に、今回のような非常事態では「想像以上に業務がかさみ、貼り紙一つを作るにも負担がある」と、店の負担軽減と共に利用客の不安を払拭(ふっしょく)できるようにしたいと考えたと言う。

 デザインは、休業告知やテークアウトのみの営業を知らせるもの、間隔を明けて並ぶ呼び掛け、手の消毒の呼び掛け、入店制限など11種類を用意。店の取り組みを「明確に伝える」ことに加え、「貼り出されたときに明るい雰囲気になるよう」意識したと言い、白地に緑で「休業のお知らせ」「マスクを着用しています」などの文言を日本語と英語で表記し、イラストも描いた。全てに自宅にいることを呼び掛ける「#stayhome」の文字も記載する。

 制作に掛けたのは1日。朝に社員全員でミーティングし、方向性や種類を決め仕事を分担。昼過ぎには第1案がアップできる状態となり、夕方にはウェブサイトを公開。「社員各自の特性を組み合わせ」スピード感を持って作った。

 店頭に掲出したり、サイト・SNSで案内したりする際などに活用でき、追記、改変して使うことも許可している。デザインデータは、政府のルール変更に応じて随時変更・追加していく予定。

 宇田川さんが「ひいきにしていた」飲食店が閉店した際に「思っていた以上の喪失感」を抱いた経験から、「非常事態下で苦境にたつ小さな店を少しでも支えたい」という思いから小規模店舗向けと位置付けているが、大規模店舗での活用も歓迎している。「営業継続のための工夫をして、それを明確に伝えられれば、お客さんは安心して利用でき、スタッフも安心して働けると思う。魅力的な店がしっかり生き残れるサポートを続けていきたい」と話す。

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