性同一性障害の若者を追ったドキュメンタリー映画「ぼくが性別『ゼロ』に戻るとき 空と木の実の9年間」が5月、渋谷・宇田川町のミニシアター「UPLINK(アップリンク)渋谷」(渋谷区宇田川町)で公開される。
昨年11月、NHKで放送され、日本の番組や個人、団体を表彰する「ギャラクシー賞」候補になるなどしたドキュメンタリー番組「僕が性別“ゼロ”になった理由」の全長版となる同作。女性として生まれたが、自分の性に違和感を持ち続けていた小林空雅(たかまさ)さんの9年を追い、「変化と成長」を描く。
小林さんは13歳の時に心は男性・生物学的には女性である「性同一性障害」と診断される。17 歳の時に出場した弁論大会で観客の前で「男性として生きていくこと」を宣言すると、20歳で性別適合手術を受け戸籍も男性に変えた。
メガホンを取ったのは元NHKディレクターの常井美幸さん。常井さんは「このドキュメンタリーは『性別』をモチーフにしているが、『性別』のことだけを描きたかったわけでない」と前置きし、「男と女だけではない、いろいろな形の性別があることを描くことで、カテゴリーの枠をはずれて自分らしく生きられる社会、一人一人が互いの違いを超えて受け入れ合える社会。そういう自由な社会に少しでも近づけたらと思って制作した」などと作品制作に至った思いを語る。「一人一人が自分らしい生き方を問い直すきっかけになったらうれしい」とも。
公開日は5月22日。