JR渋谷駅で山手線ホームと並列化する形で移設工事が進められている埼京線・湘南新宿ライン(3・4番線)の新ホームが6月1日、供用開始される。5月30日~31日に線路切り替え工事を行い、一部列車を運休する。
駅周辺で進む再開発に合わせ、乗り換えの利便性向上や駅構内の混雑緩和、バリアフリーなどを目的にJR東日本が進めてきた渋谷駅の改良工事。2014(平成26)年4月から準備工事を行い、翌2015(平成27)年9月に着工した一連の工事が一つの区切りを迎える。今回の改装で、現在内回り・外回りの2面に分かれている山手線のホームを1面2線化し、ホーム幅員も最大16メートルまで広げるとともに、同ホームから新南口まで約350メートル駅南側に離れていた埼京線・湘南新宿ラインのホームを移設し並列化する。
ホーム並列化に伴い、埼京線新ホームは新たに南改札とハチ公改札と直結する。南改札とは階段(幅約1.9メートル)とエスカレーター(2人乗り×2機)で直結するほか、ハチ公改札との間には階段(幅約1.7メートル)、エスカレーター(2人乗り×1機、1人乗り×2機)、エレベーター(15人乗り×1機)を新設し、埼京線ホーム移設で増える利用者に対応する。新南改札へは、現在の埼京線ホームを連絡通路として使い移動できる。
線路切り替え工事に伴う運休は利用者数が多い平日を避け、5月30日初電~31日終電に実施。埼京線・湘南新宿ラインなどで大幅な運休や始発駅・終着駅を変更する。埼京線は、大崎~新宿間を運休し、新宿駅で大宮方面に折り返し運転(相鉄線・りんかい線との直通運転中止)。湘南新宿ラインは、宇都宮・高崎線直通が大崎~新宿間を運休、新宿駅で大宮方面に折り返し運転、横須賀線直通が大崎~新宿間を運休、大崎駅で横浜方面に折り返し運転となるほか、東海道線直通は全区間(小田原~新宿)運休となる。ほかに、東海道線が小田原~品川間で増発など。特急では、「成田エクスプレス」が東京・品川~新宿・池袋・大宮・高尾間を運休するなどして対応する。
工事時間帯は5月29日22時ごろ~6月1日4時ごろまで約54時間(悪天候などで実施できない場合は7月3日からに延期)を予定する。2018(平成30)年に行った埼京線上り線路の切換工事に続き、今回は下り線路を切り替える。工事ではまず、埼京線下りの線路を移動させ、埼京線下りの宮益架道橋の鉄桁を改築(回転・移動)。現在の埼京線ホームを新南改札への連絡通路として整備する。工事中は新南改札の営業を休止するほか、旧大山街道(渋谷駅前交差点~宮益坂下交差点)を、5月30日2時ごろ~8時ごろと30日22時ごろ~31日7時ごろまで通行止めとする。ハチ公改札外通路は終日通行可能。
一連の駅改良工事では現在、既存のハチ公改札のうち広場に面した改札の入り口部分が閉鎖され、工事が進められている。新ホーム供用開始時には、ハチ公改札も改装を予定。
計画では今後、他社線との乗り換え導線の改善を図り、1階と3階で駅構内コンコースを拡充。1階北側(幅員22メートル)と1階中央部(同23メートル)に自由通路も整備する。駅施設は段階的に整備・共用し全体の完成は2027年度を予定する。