Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が1月26日、富山グラウジーズ(同、富山)を77-64で下し、2連勝を飾った。会場はアリーナ立川立飛。観客数は3037人。
立ち上がりは前日同様、安藤誓哉選手がドライブ(ドリブルでリングにアタックするプレー)から得点や、パスから仲間の得点をアシストしていく。第1クオーター(Q)終盤、同点の場面ではザック・バランスキー選手が「仲間を生かすことを意識している」と連続でアシストを決め、「まずはディフェンス(DF)から」とスチール(ボールを奪うプレー)からチャンスをつくり19-12とリードを奪った。第2Qには「ケビン(・ジョーンズ選手)やミラン(・マチュワン選手)が体を張ってくれているので、2人の頭上に落ちたボールを取ろう」と竹内譲次選手が積極的にリバウンドに飛び込んだほか、スチールからの速攻に走りファウルを誘発するなど躍動。田中大貴選手は「(アイザック・)バッツ選手がゴールライン(ボールとリングを結ぶコース)を空ける感じがあり狙っていた」と、隙を見逃さずレイアップを決めた。
13点のリードで迎えた後半だったが、「オフェンス(OF)コールがうまくいかなかった」とターンオーバーで試合に入ると、富山に連続で3ポイント(P)シュートを許しリズムをつかまれる。一時4点差に詰められた。それでも、バランスキー選手がブザービーターとなる3Pを決め7点差にリードを広げ最終Qに突入した。その得点をアシストしたのは津山尚大(しょうた)選手で、残り6.5秒からドライブを仕掛けディフェンスが寄ってきたところでパスをさばいた。バランスキー選手は「自分は打つだけだった。尚大に作ってもらったブザービーター」と感謝の言葉を口にした。
最終Q立ち上がりには、ローポストでボールを持ったバッツ選手にダブルチームへ行ったバランスキー選手がボールに手を掛け、ジャンプボールシチュエーションに持ち込んだ。「(バッツ選手は)めちゃくちゃ強く、気を抜いたらすぐに持って行かれると思い必死だった」。中盤には両チーム共に得点が止まる時間帯が見られたが、抜け出したのは富山で一時2点差まで詰められた。残り2分5秒、4点差の場面でA東京はタイムアウトを要求。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)は「まだ一山も二山もある時間帯だったので、まずは水を飲んで休むこと」を話した。同時に、「DFを締め直してほしい」と選手を送り出すと、その思いに応えるように安藤選手や田中選手がスチールを見せ勝利を引き寄せた。
「最後の詰め方はうちの方が上だった」と振り返った田中選手は、チャンピオンシップの決勝戦などを引き合いに出し「もっとプレッシャーがかかる場面で自分たちのバスケットをしてきた経験によるものも大きい」とその要因を分析。バランスキー選手も「競った試合の戦い方は分かっているし、焦るようなチームじゃ無い」と口をそろえた。
バランスキー選手はこの日、3P4本を含む16点をマーク。残り40秒でロングレンジの2Pを決めた際には笑顔が見られたが、「バスケットの楽しさを一人でかみしめていた」と、シーズン前の練習で捻挫し試合に出られない日々を過ごしていた開幕からの約1カ月を振り返った。「けがで始まり苦しいスタートだったが、トレーナー陣のサポートのおかげで、大事な時間帯にも出られるまでに復活したことが素直にうれしかった。チームで勝った試合だが、個人としても今シーズンの中では良い方だった。活躍できて楽しかった」と喜びをあらわにした。
A東京は次節となる今月29日、宇都宮部レックス(以下、宇都宮)と戦う。この日は、竹内選手と宇都宮に所属する双子の兄・竹内公輔選手の誕生日でもある。譲次選手は「誕生日に公輔と対戦するのは多分初めて」と言うが、「あまり祝い事を気に掛ける方じゃないので、一つのゲームとして平常心で臨みたい」とクール。チームからのプレゼントは「何にも無いっす」とバランスキー選手は笑いつつ、「2人におめでとうを言いたい」と話した。加えて、「ジャワッド(・ウィリアムズ選手)っていう奴がいるらしいんで、一蹴り入れて楽しんできたい」と、元チームメートとの再会にも心を弾ませる。