渋谷をホームタウンに活動するプロバスケットボールチーム「サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷」が1月23日に長谷部健渋谷区長を表敬訪問し、「第95回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会」の優勝を報告した。
同大会は、プロバスケットボール「Bリーグ」や大学、社会人チームなどがトーナメント形式で争い優勝を決める戦いで、今月9日~12日にベスト8によるファイナルラウンドが行われた。SR渋谷は決勝で川崎ブレイブサンダースを下し日本一に輝いた。クラブとしては2015(平成27)年以来、2度目の栄光となった。
この日、キャプテンのベンドラメ礼生選手と副キャプテンの石井講祐(こうすけ)選手、伊佐勉ヘッドコーチ(HC)、チームを運営する日立サンロッカーズ(千代田区)の浦長瀬(うらながせ)正一社長が区庁舎を訪問。浦長瀬社長は「渋谷区は赤色(同じく渋谷を本拠地にするアルバルク東京のチームカラー)ばかりに染まっていたが、ようやく黄色(SR渋谷のチームカラー)をお届けすることができた」と自虐を交えつつ優勝を報告した。
庁舎のエントランスでは職員らが拍手で出迎え、「おめでとう」という声が掛けられた。ベンドラメ選手は「改めて優勝を実感した」と言い、「渋谷を本拠地としながら、なかなかいい報告ができていなかったのですごくうれしい」と力を込めた。石井選手は「純粋に結果で恩返しして、優勝の報告ができるのは本当にうれしいので、(これからも)どんどんいい報告をしたい」と意欲を見せた。伊佐HCも「渋谷という名前をチーム名にしているので、サポートに対して還元できたらと常に考えている。微力ながら渋谷を発信できたのでは」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
長谷部区長は「本当におめでとうございますという思いと共に、一ファンとしてありがとうございますという気持ち」と笑顔を見せ、「選手の背中を見て育つ子どもたちがたくさん出てくると思うので、夢を与え続けてほしいし、ライバルのアルバルク東京と一緒に、先頭に立って街のスポーツを盛り上げてほしい」と期待を込めた。
天皇杯での戦いを聞かれた伊佐HCは、2次ラウンドで当たったB2(Bリーグ2部)「群馬クレインサンダーズ」戦との一戦に触れ、「残りの5分くらいまでずっと負けていて、何をやってもうまくいかなかった。最後は選手たちが勝ちきってくれたが危なかった」と振り返った。さらに、長谷部区長が年始の箱根駅伝で上位3位に入った青山学院大学、東海大学、国学院大学が区内に本拠地を構えていることを引き合いに出し、「追い風となって天皇杯も決勝に『行くんじゃない?』と街の人と話していた」と言うと、ベンドラメ選手と石井選手は母校である東海大の本部が渋谷だと「知らなかった」と驚きの表情を浮かべた。
SR渋谷も参戦するBリーグはシーズン中で、ベンドラメ選手は「リーグ優勝が今の目標なので、切り替えてやっていきたい」と意気込み、「試合会場でしか感じることのできない感動があるので、ぜひ足を運んで応援しに来てください」と観戦を呼び掛ける。石井選手も「「僕らも来てくれた方々に元気などを与えられる試合を見せられたらと思うので、ぜひ一回、会場に来てください」とアピールした。
渋谷では過去2年、Bリーグを優勝したアルバルク東京がセンター街・バスケ通りでパレードを行っている。ベンドラメ選手が「悔しい思いもある。僕らがパレードする姿を想像して1年戦ってきているので、それを目標にチームとして成長したい」と言うと、石井選手は「パレードをしたことが無いので、念願のパレードをしたい」、伊佐HCも「この街でパレードできる姿を妄想しているが、できたらとても幸せなこと」と乗り気な様子を見せた。浦長瀬社長も「今度はリーグ優勝の報告に上がれるように頑張りたい」と続けた。
長谷部区長は「リーグ制覇という強い意気込みも聞けたのでうれしい」と笑顔を見せ、「見に行った試合はまだ負けていないので、また見に行きたい。いろいろな面で背中を押せたら」とサポートを約束した。