ディー・エヌ・エー本社(DeNA、渋谷区渋谷2)に1月17日、プロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」の新入団選手が来社した。
同チームのオーナー企業である同社が、新入団選手に社歴や事業内容を伝える研修も兼ね2015(平成27)年から実施している取り組み。今年はドラフト1位の森敬斗選手をはじめ、坂本裕哉選手、伊勢大夢(ひろむ)選手、東妻(あづま)純平選手、田部隼人選手、蝦名達夫選手、浅田将汰選手の7選手が参加した。
スーツ姿で登場した選手たちは同社会長の南場(なんば)智子さんと名刺交換をし「大人の」あいさつ。南場さんは「毎年手の震えている選手がいるが、今年はあまりいなかった。緊張していたのか汗はかいていた」と、初々しい姿に笑みを浮かべた。初めての名刺交換となった森選手は「控え室で名刺を渡された時、社会人になったんだなと感じた」と言い、名刺交換の仕方は「広報の方に(教えてもらい)」練習したと言う。
その後は南場さんが選手たちに講義(研修)。「DeNAという会社について調べてきた」かを問われた選手たちは苦笑い。南場さんはゲームやオートモーティブ、ヘルスケア、ソーシャルライブなどの自社事業を紹介し、その中の一つとしてスポーツ事業を挙げた。同社では横浜DeNAベイスターズだけでなく、ランニングクラブ、男子プロバスケ「Bリーグ」の川崎ブレイブサンダースの運営もグループで行っている。
南場さんは「谷町的な経営ではなく、スポーツそのもので事業として収益を上げることで監督や選手が安心して取り組めることが、スポーツ産業全体の発展、地元へ貢献になる」と持論を展開。加えて、球場でのトイレの混雑状況の「分かりやすい案内」や飲食物購入の「効率化」、試合前後のセレモニーなどでプロジェクションマッピングを使った演出など「テクノロジーを用いてやりたいことがある」と新たな挑戦にも意欲を見せた。
続けて、経営者の「プロ」として「プロフェッショナルキャリア」について言及。「どの職業でも同じだが、とりわけ皆さんは、一挙手一投足全てを皆さんに見てもらえるステージに上がったことを本当に自覚してほしい。問題を起こさないでほしいという次元の話では無く、人が見ているところ見ていないところでも、プロとして何を成し遂げて、どこで苦しんだか。全て記録に残り消すことができないのがプロの世界」と力を込め、「良い時ばかりでは無いと思う。スランプに陥った時、上手くいかなった時の対処の仕方で大きく差が出る。そここそが見せ場」と呼び掛けた。
中学生の野球(軟式)人口とサッカー人口の推移を示したグラフで競技人口が減っていることを指摘し「現実を認識して、皆で力を合わせていかないといけない問題」(南場さん)と言うと、森選手は「『俺もあぁいう風になりたい』と野球を始めるきっかけになれるのはプロ野球選手だけだと思うので、自覚しながらやっていきたい」と応えた。続けて「ファンの方に長く愛される選手になりたい。そのためには結果を出さなくてはいけないが、応援してもらえるような選手になれれば」と意気込んだ
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