Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が1月15日、レバンが北海道(以下、北海道)を94-71で下し勝利した。会場はアリーナ立川立飛、観客数は2242人。
年始の千葉ジェッツ戦、今月9日~12日に行われていた天皇杯ファイナルラウンド準々決勝で川崎ブレイブサンダースに敗れていたこともあり、「もう一回仕切り直して戦おう」(ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC))と臨んだ一戦だった。
立ち上がりから3ポイント(P)シュートが好調だったA東京。第2クオーター(Q)には北海道を6点に押さえると、12点のリードを奪った。北海道がアグレッシブなディフェンスを見せる中、A東京の選手たちはフリーになっている選手を見逃さず加点。北海道は外国籍選手や日本人ビッグマンなどを同時に3人使うビッグラインアップで挑んできたが、「スカウティングでこういうラインアップでやってくるだろうと予想はしていた。(マーキース・)カミングス選手のところで何本かやられたが、ある程度しっかり守れた」(田中大貴選手)。終盤には、平岩玄選手や特別指定選手の小酒部泰暉(おさかべ・たいき)選手ら若手選手も出場を果たした。
その中で、昨年12月24日に入団した津山尚大(しょうた)選手が今季初出場を果たした。今季は海外へ挑戦し、カナダのチームと契約をしていたが約1カ月で契約解除となっていた。そうした中、パヴィチェヴィッチHCが「一番に声を掛けてくれた」こともあり、A東京に入団を決めたという。クラウドファンディングを通してファンたちから支援を集めていたこともあり「自分の中では支援してくれた方たちを裏切ってしまったので、日本で結果を残すしか無い」と闘志を燃やしている。
A東京は、この試合から津山選手を出場させる考えだったといい、津山選手も「しっかり準備するだけだった」と言う。実践経験は「半年以上空いていた」こともあり、前日まで「緊張していた」と言うが、「コーチ陣が常々、思いっきりやれと言ってくれているので、今日も思いっきりできた」と振り返る。
津山選手は第2Q途中で出場すると、持ち味である3Pを2本決め場内を沸かせた。最終Qには、ショットクロックが2.1秒のスローインからアウトサイドの2ポイントシュートも決め、初出場で8点を挙げた。「(ボールを入れる)ザック・(バランスキー)さんと目が合って、もらったら打つぞという思いでいた」
試合後「外からのシュートは決めたので良かった」と自己評価しつつ、「(サンロッカーズ)渋谷などプレッシャーが強い中で、いかに自分のプレーを出せるか」と満足はしない。サンロッカーズ渋谷には、琉球ゴールデンキングスで一緒だった伊佐勉HCや山内盛久選手らがいる。伊佐HCには天皇杯の会場で再会したと言い、「海外に挑戦し続けることが恩返しになるから、そこを目標に日本でも頑張れ」と声を掛けられた。山内選手にはA東京への入団が決まった時に報告したと言い、「レベルの高いチームで高め合って、また挑戦できるよう頑張れ」とメッセージが届いたという。「対戦するのが楽しみ」とも。
今週末リーグ戦は一時休止となり、オールスターゲームが行われる。A東京からは田中大貴選手が4年連続で、竹内譲次選手が2年ぶりに出場。バヴィチェヴィッチHCもチームのHCを務める。田中選手は「こういうゲームに出場できるのはうれしいが、何かできるかと言われたらそういうタイプじゃ無いと思うので、難しいと思ながらゲームをしている(笑)」としながらも、「(今季で引退を表明している北海道の)折茂(武彦)さんが最後なので、一緒にコートに立ってバスケットができる、大事な時間を一緒に楽しめたら」と話した。
オールスター明けはリーグ戦も後半に突入する。A東京は現在22勝7敗で東地区2位に付けている。田中選手は「ルカも『良いプレーをしている』と声を掛けてくれているので、そこまでネガティブな要素は無い」と総評しつつ、「天皇杯では結果が出なかったが、個人的にはリーグ戦の方が意味があると思っている。そこでバラバラになるのではなく、個人としてもチームとしてもゴールを持って積み上げていくだけ。リーグ初年度から言っているが、最後の最後にどのチームよりも一番良いチームになれるように」と高みを目指す。
A東京は月内に、サンロッカーズ渋谷、宇都宮部レックス、川崎ブレイブサンダースといったリーグ上位のチームとの試合が続く。田中選手は「ハードなスケジュールになるので、いい集中力を保ちつつやらないと。もしかしたら順位が変わる一つの山場」と気を引き締める。