表参道と明治通りが交わる神宮前交差点の一角にあるビル「オリンピアアネックス」(渋谷区神宮前6)を含む敷地の再開発事業「神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業」が本格始動する。事業主の神六再開発(神宮前6)と、権利者・特定事業参加者として参画する東急不動産(道玄坂1)が1月14日に発表した。
区道623号の道路拡幅整備後の「明治神宮前駅」7番出入り口付近のイメージ
築50年を超え、路面に「ラコステ」などが出店してきたビンテージビル「オリンピアアネックス」をはじめ、今年5月に閉店・移転したコンドーム専門店「コンドマニア」跡を含む敷地を一体的に整備する同事業。昨年2月に事業計画認可を受けていたが、今年1月9日に都から権利変化許可を受け本格始動する。
同所は、交差点に面した好立地で「商業地としての高いポテンシャル」を有する一方で、建築物の老朽化や、明治通りの拡幅による狭小な土地、区道630号による変形五差路などの課題があった。再開発で街区を再編・統合し、土地の有効・高度利用を図り商業拠点などを整備することでにぎわいを形成するほか、区道630号を廃道し変形五差路を解消することで歩行者滞留空間の確保や敷地西側に新たな歩行者道路を作り歩行者ネットワークの強化を図る。
敷地面積は約3085平方メートル。建設するビルは、地下3階~地上10階の13階建て、高さ約49.5メートル。延べ床面積は1万9890平方メートルとなる。店舗を中心とした商業ビルで、公共公益施設、地階には駐車場や鉄道用変電施設などを整備。屋上には広場も計画している。大規模災害に備えた防災備蓄倉庫の整備や自家発電設備、防災備蓄装置も設置する。
東急不動産は同敷地内で、期間限定スペース「Q's spot(キューズスポット)」を展開していたほか、オリンピアアネックスの1階で情報発信拠点「subaCO(スバコ)」を開設していた。
3月に解体工事に取り掛かり、9月に本体着工、2022年度完工を予定する。総事業費は約180億円。