東京都が手掛ける渋谷公園通りのアート拠点が2月8日、約2年間の休館を経て「トーキョーワンダーサイト(以下TWS)渋谷」改め「東京都渋谷公園通りギャラリー」としてリニューアルオープンする。管理・運営は東京都歴史文化財団。
都が若手芸術家支援を行う場として2001(平成13)年に「TWS本郷」(文京区)を開設。2館目となる渋谷は、国際的に活躍する海外のクリエーターや日本の若手クリエーターの紹介を目的に、施設として2005(平成17)年に開設した。TWS本郷は2017(平成29)に「トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)」に名称変更し、同年、渋谷の施設も改修工事に入っていた。
リニューアルでは、専門的な美術の教育を受けていない人などによる独自の発想や表現方法が注目されるアート「アール・ブリュット(アウトサイダー・アート)=生の芸術」などの振興拠点に変更。アートを通じたダイバーシティの理解促進などを目指し、アール・ブリュットをはじめとするさまざまな作品を展示するほか、交流スペースを新設し「対話的で創造的な」交流プログラムを展開するという。
交流スペースは公園通りに面したガラス張りの空間で、展覧会と連動したトークやワークショップ、講演会、パフォーマンスやライブ・コンサートなどのプログラムを展開。関連図書なども閲覧できる。
オープンを記念し、同日から企画展「あしたのおどろき」を展示室1、2で開催。日常に潜在的にある驚きや発見などの「体験」をテーマに作品を紹介。動物や日用品、風景など身の周りのものを独自の色や形で表したものや、ドローイングや油彩、刺しゅう、アップリケなど身近な素材や技法を使った作品が会場に並ぶ。
出展作家は、小笹逸男さん、小林勇輝さん、舛次崇さん、末永史尚さん、HIROYUKI DOIさん、塔本シスコさん、西岡弘治さん、nui project、藤岡祐機さん、デニス・ホリングスワースさん、松岡亮さん、丸木スマさん、山本純子さん。ギャラリークルーズやトークなどの関連イベントも開催する。
同時展開する交流プログラム「ひらく、つながる」では、音楽家・アーティストの蓮沼執太さん、展覧会出展作家の小林さん、松岡さんによるパフォーマンスなどによる企画を予定する。
開催時間は11時~19時。月曜休館(2月24日は開館)。入場無料。4月5日まで。