移設のため12月27日で供用を終える東京メトロ銀座線・渋谷駅の現行ホームに0時42分、最終列車が到着し、約80年の歴史に幕を下ろした。駅舎の最後を見届けようと、ホームや改札周辺には多くの鉄道ファンも詰め掛けた。
現渋谷駅は1938(昭和13)年12月20日に開業。渋谷駅周辺の谷状の地形により、地下鉄ながら地上にある駅として、都心各地と渋谷をつないできた。1日に約22万人(2018年度)が利用し、整列乗車は戦後間もなく同駅で誕生したともいわれている。1月3日に開業する新駅舎は明治通りの上に位置し、ホームの頭上を覆うアーチ構造の「M」形の屋根も特徴。ホームは現在の相対式から1面2線の島式に変更し改札も増設、他社線との乗り換えも含め大幅な利便性向上が期待される。
営業最終日となったこの日は、「現役」最後の姿を写真に収めようと、日中から多くの人が足を運び、終電が近づくと改札の横に設けられた駅移設記念のスタンプ台に45分待ちの行列もできた。渋谷駅発最終列車となった上野行きは予定通り0時12分に発車。発車前、車掌に向け「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える鉄道ファンの姿も見られた。同42分には、予定より遅れ渋谷着の最終列車が到着。駅員が「この電車をもちまして渋谷駅の営業を終了します。80年間のご利用、ありがとうございました」とアナウンスし、多くのファンが車庫へ向かう車両を見送った。
移設に伴う線路切り替え・ホーム移設工事は27日終電後から1月3日未明まで行い、工事期間中の6日間は、渋谷~表参道駅間、青山一丁目~溜池山王駅間を終日運休。表参道駅~青山一丁目駅間、溜池山王駅~浅草駅間で、それぞれ折り返し運転を行う。新駅舎の供用開始は3日始発を予定する。