Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月22日、大阪エヴェッサ(同、大阪)と戦った。会場はエディオンアリーナ大阪、観客数は4342人。
前日、76-87で敗れ迎えた同カード2戦目。立ち上がりから持ち味であるオフェンス(OF)リバウンドからの得点やリバウンドからの速攻などが見られ、第1クオーター(Q)からリードを奪ったSR渋谷。第2Qには渡辺竜之佑選手がアグレッシブなディフェンス(DF)で大阪のミスを誘発する場面が見られたほか、「スピードは僕の方がある」と野口大介選手がドライブ(ドリブルでリングに向かうプレー)を仕掛け得点を重ねた。続くようにベンドラメ選手もDFに囲まれながらレイアップを決め、11点のリードを奪ったが、ターンオーバーやDFリバウンドから速攻を決められ、約4分の間に逆転を許した。
8点のリードを奪われた第3Qには、ジャクソン選手がリバウンドからの得点を重ねたほか、「ライアン(ケリー選手)がいない分クリエートできる人間がいない」と山内盛久選手がドライブからのアシストを決め、「(得点が)礼生ばかりになりがちなのは予測できた、突出させないように」と自らも積極的にリングを狙い同Qだけで10点をマーク。SR渋谷は同Q34点を挙げ再逆転に成功した。
最終Qは1・2点を争う時間帯が長く続いたが、94-98で惜敗した。ベンドラメ選手が「責任を感じている」と振り返ったのは、残り26.5秒で4点を追い掛ける場面。ベンドラメ選手がスローインでジャクソン選手を狙ったボールが大阪に取られてしまった。「CJ(ジャクソン選手)のところを狙う指示があったが、DFを見てしっかり判断できなかった。落ち着いて出せればあそこはパスコースじゃなかったかもしれない」と悔やむ。12日のアルバルク東京(A東京)戦の最終Qでのターンオーバーを引き合いに出し「勝負どころのミスを乗り越えないと次のステップにはいけない」と自身の成長の糧にする。
伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は、第2Qに連続してミスした場面で「流れが向こうに行ってしまった」点と、第3Qで「流れが(自分たちに)来そうなところをOFリバウンドで持ちこたえられた」点をこの試合を分けた「大きなポイント」と振り返る。野口選手も「強みであるリバウンドを要所で取られた。リバウンドを争わないなど、普段はやらないミスがあった。けが人が増えてローテーションのリズムが崩れ一人ひとりの負担が増えているのかな」と見る。
ベンドラメ選手は「最近は自分たちでゲームを崩している印象。相手がすごく良いわけじゃないし、僕たちより上回ったプレーをしているわけじゃない。もったいない負けが多い」と言い、「ボールをもらってもリングを見ずに横に展開をしたり、ピック(スクリーン)を使っても何も起きずに終わったり、自分たちのゲームメークを考えた方がいい」と見解を示した。
SR渋谷は今季初の3連敗となったが、伊佐HCは「スタンダードが低すぎた」という前日の戦いを引き合いに、「選手たちはやるべきことをやってくれた。昨日の負けと今日の負けはチームとしての印象が違う。納得のいく負けというと語弊はあるが、今日のような戦いをして、最後に勝った負けたの話をしたい」と前向きな姿勢を見せる。通算15勝8敗となり東地区3位に付けているが、宇都宮ブレックスとA東京の上位2チームに離されつつあると同時に、千葉ジェッツと勝率が並んでいる。「僕がブレずにやることを徹底させられるか、選手ができるかに尽きる」と話す。山内選手とベンドラメ選手は「やっていることは間違っていないと信じている」と口をそろえ、「やることを徹底すればどのチームにも勝てる」と自信は失わない。
今月25日はレバンガ北海道とアウェーで戦う。この日28得点リバウンド17本をマークしたジャクソン選手は「チームが負けたので満足はしていない」と厳しい表情で、「チームが勝つためにやるべきことをやるだけ。もう一回チームで団結して勝ちにいきたい」と意欲を見せる。古巣との地元対決となる野口選手は「特に僕と関野(剛平選手)は絶対に負けたくないと思っているので、悪い流れを断ち切って勝ち切りたい」と力を込める。
クリスマス当日であることから、「ディズニープリンセスが好き」な3歳の長女へのプレゼントを持って行くと言い、「(父親としての)役割を果たせるのは良かった」と顔をほころばせる。男の子4児の父親である山内選手は、「皆で一つというのを覚えさせようと、皆で遊べるものを複数。上2人(長男・次男)は譲ることを分かってきたが、下2人(三男・四男)は我が強く、『自分の自分の』と言うので苦労しているが楽しんでいる」とも。