渋谷駅周辺の再開発による取り壊しのため2020年3月31日で営業を終了する東急百貨店東横店で、営業終了までの3カ月間、「85年分の東横総決算」と題した全館イベントが展開される。
東急東横店(当時は東横百貨店)は1934(昭和9)年、渋谷駅と直結するターミナルデパートとして開業。当初は東館のみで、1954(昭和29)年に西館、1970(昭和45)年に南館をそれぞれ増築し3館体制で営業。1951(昭和26)年には、日本初の名店街「東横のれん街」を開設、2000(平成12)年にはデパ地下ブームの先駆けともいわれた「東急フードショー」をオープンした。
施設は、再開発事業の進捗(しんちょく)に伴い、東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転が始まった2013(平成25)年に東館を閉館し取り壊すとともに、残った西館・南館に東館の売り場を移設・集約した。来年3月の全館閉館後も、地下1階・食品売り場は営業を続ける。
閉館記念イベントでは、第1弾となる年明けの売り尽くしや展示企画などで「85年間の感謝の気持ちを伝える」という。売り尽くし企画は、各階で第1弾~第5弾にわたり展開する。
第1弾(1月9日~31日)は、全館で用意する福袋「85年分の感謝袋」をはじめ、「スタートダッシュ」企画としての目玉品を集めた「特別ご提供品」セール、会社帰りの需要も見込む「18時からのタイムサービス」、掘り出し物企画「40th SHIBUYA アンティークバザール」「4年ぶり復活、食品ギフトセットセール」などを予定。
福袋は、東横店内で開催し1985(昭和60)年6月に30年の歴史に幕を閉じ、一夜限りの復活となる「東横落語会」の鑑賞券を抽選で売り出す「東横落語会in東急東横店」福袋(1組1万5,000円、1組2人、定員20組40人、食事付き、販売日=1月2日・3日・東横店のみ7日まで)、東急百貨店や渋谷に縁のあるアーティスト3人が描くオリジナルのだるまをオークション形式で1人が落札できる「東急東横店感謝だるま福袋」など。
だるまは12月26日1月7日まで西館8階・催物場脇特設コーナーに展示し、カプセルトイとして「東急東横店だるみくじ」(1回500円、全5種)も用意する。落語会は2月29日18時~20時、南館6階「カフェ クッチーナ&カンパニー」で柳亭市馬さんが高座に上がる。
セール第2弾(2月1日~12日)は、春のセレモニーに向けた「婦人フォーマル」「宝飾・ジュエリー」セールや「服飾小物・ファッション雑貨 総力結集バーゲン」など。第3弾(2月13日~3月4日)は催事場スペースを拡大し、ホーム関連フロアで在庫処分セール「キッチン、インテリア&タオル・寝具の拡大セール」、婦人ファッション、オールシーズンアウトレットセール、第4弾(3月5日~18日)は、「宝石・時計最終処分セール」などを予定する。「ファイナル」として第5弾(3月19日~31日)は、全館で売り尽くしセールを展開し、「ワコールビッグバザール」も企画する。
セール企画以外では、物産展などの恒例催事として、「第29回島根物産展」「第38回秋田物産展」、チョコレートの祭典「SHIBUYA ショコラスクランブル」、「第29回渋谷古本大市」「第32回福島物産展」「第21回福岡物産展」、「第23回名人たちの仕事展」を開催。「ファイナル」となる食品企画も予定しているという。
セール企画と並行して5回にわたり特別販売するのは、東横店を回顧するデザインの「<馬車道十番館>お菓子」。第1弾は、東横店の前身「東横百貨店」創業当時のポスターを復刻。レトロなデザイン缶に、横浜の銘菓「<馬車道十番館>ビスカウト」を組み合わせる(各回無くなり次第終了)。
展示企画は、「東横デパートの思ひ出展」を1月9日~3月31日に開催。貴重な写真を展示する「渋谷の街とともに 東横デパート写真展」(会場=地下1階東急フードショーしぶちか特設パネル)をはじめ、開業当時からの新聞広告や包装紙や、1964(昭和39)年当時を再現した渋谷駅のジオラマ、昭和40~50年代のCM上映、来店客から応募した思い出メッセージなどで構成する企画展「いつもみなさまと一緒に 東横デパートアラカルト」の2会場で、東横店の歴史を振り返る。
そのほか、1月9日からは昭和40~50年代に使用したショッピングバッグのデザインを東横店限定で復刻(無くなり次第終了)。期間中、5,500円(税込み・合算可)以上の購入客先着1000人に「レトロ絵葉書2枚セット」(5種類を順次用意)を進呈する。