男子バスケ・Bリーグのサンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が12月15日、滋賀レイクスターズ（同、滋賀）に79-92で敗れ今節は1勝1敗となった。会場は青山学院記念館（渋谷区渋谷4）、観客数は2664人。

滋賀の齋藤拓実選手とマッチアップした関野剛平選手

　「前半早々に痛いミスをしてゲームが壊れた」と振り返った伊佐勉ヘッドコーチ（HC）。ミスについて詳細は明かさなかったが、立ち上がりで「ディフェンス（DF）のコミュニケーション不足やミスが重なり」（ベンドラメ礼生選手）フリーで3ポイント（P）シュートを決められるシーンが目立ち、3-10とリードを許した。ここで伊佐HCが投入したのは「流れを変えることができる」と評価する山内盛久選手。コートイン直後に広瀬健太選手とセバスチャン・サイズ選手の得点をアシストし、期待に応えた。さらに、前日、得意の3Pが7分の1と不調だったが「絶対に入る自信があった」と言う杉浦佑成選手も、第1クオーター（Q）で途中出場すると自らボールを呼び3Pを決めきった。

　第1Qでキャプテンでエースのベンドラメ選手がファウル3つを犯し出場できない中、「礼生がいないと得点が落ちる」と、第2Qには山内選手が積極的にリングを狙い7点をマーク。同時に「集中していた」という渡辺竜之佑選手が粘り強いDFを見せ、滋賀の外国籍選手からオフェンスファウルを奪うなど持ち前のアグレッシブさを発揮。滋賀を17点に抑えるとともに25点を挙げ、1点勝ち越した。第3Qには要所で堅守を見せ滋賀のミスを誘発する場面が見られ、インサイドで強さを見せたサイズ選手やチャールズ・ジャクソン選手を中心に得点を重ね8点差のリードを奪ったが、ミスマッチになっていたインサイドを狙われ3連続得点を許し、1点のビハインドで最終Qに突入した。

　序盤は拮抗（きっこう）した戦いを見せていたがリバウンドを取られたほかファウルがかさみ、フリースローを献上。滋賀がフリースローを高確率で決め徐々に点差を付けられる中、SR渋谷はマッチアップしていた滋賀の選手にファウルがたまっていたことから、杉浦選手を起点とした攻撃を組み立てた。残り4分47秒、決めれば同点という場面で杉浦選手はドライブ（ドリブルでリングに向かうプレー）からレイアップを狙ったが決めきれず、滋賀にリバウンドからの速攻を決められた。杉浦選手はこのシーンを「この試合の分岐点。決めていれば流れが来ていたんじゃないか。一番悔しかった」と振り返る。196センチという高身長であることもあり「あまりブロックされることは無い」と言うが、「（DFしていた、滋賀のジェフ）エアーズ選手はブロックがうまいので、最後の最後で弱い気持ちが出てしまい逃げ気味に打ってしまった」と言う。

　試合終了後ベンチで頭を抱える仕草を見せた関野剛平選手は「今シーズンはずっと、勝った次の日、2戦目の入り方が悪い試合が続いている。スタートで出ている自分たちに責任がある」と自責する。この2戦は、SR渋谷のDFをかき乱した滋賀の齋藤拓実選手とマッチアップ。スピードのある齋藤選手に対し、関野選手はコンタクトすることで対抗したが、「（齋藤選手は）フィジカルが無いのでアームバー使うと（相手が）よろけてファウルになってしまう」と振り返る。「ガードに付く仕事があるので、付く上では駆け引きも大事。ギリギリのラインで攻めたい」と意欲を見せた。

　今節は、ポイントガードのDFが抜かれたり、速攻を出さたりする場面が目立った。山内選手は「ボールプレッシャーすることを第一にやっているが、相手もそこを分かって裏をかくプレーをしてきた。そこに対応できなかった部分が多い。逆サイドのヘルプの人間がもうちょっと寄るなどしないと、ボールマンのディフェンスが甘くなり自分たちのやりたいDFができなくなる。プレッシャーを保ちつつ、裏をかかれた時のヘルプやカバーDFを追求したい」と話した。

　最終Q中盤には、田渡修人選手が滋賀の選手と接触し負傷退場するアクシデントがあった。伊佐HCは「そんなに大したことないと今は聞いている」と言及した。

　SR渋谷は今月21日・22日に大阪エヴェッサと、25日にレバンが北海道とアウェーで戦った後、28日・29日に青山学院記念館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズと年内最後の試合を行う。渡辺選手は「ディフェンスとリバウンドから流れをつくり、連勝して帰ってきたい」と力を込めた。ベンドラメ選手は、強豪ぞろいに東地区で上位にいくためにも「他地区に負けるのは痛い。次に切り替えて年内の試合をしっかり取りたい」とも。