シブヤ経済新聞の年間PV(ページビュー)ランキングは、渋谷駅直上の超高層複合施設「渋谷スクランブルスクエア東棟」の開業日決定を伝える記事が1位になった。
100年に1度といわれる渋谷駅周辺の再開発の目玉の一つともされてきた渋谷スクランブルスクエアの開業に関心が集まったほか、渋谷駅西口の「東急プラザ渋谷」、建て替えを経て公園通りに復活した「渋谷パルコ」など、新元号・令和の幕開けとともに新施設の開業ラッシュとなった渋谷エリアの動向に注目が集まる結果となった。
ランキングは1月1日から12月13日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。
1. 「渋谷スクランブルスクエア東棟」開業日決定 テナント全212店舗も明らかに(7/4)
2. 渋谷川にカバの親子出現? ナショナルジオグラフィックの新番組アピール(8/24)
3. 東急東横店、86年の歴史に幕 来年3月で営業終了、東急フードショー・東横のれん街は継続へ(7/22)
4. グーグルストリートビューに「安室ちゃんがいる」 引退前の渋谷・街頭広告写り込み(2/14)
5. 渋谷・桜丘町に「排骨担々麺」新店 「亜寿加」元店長が名物の味再現(6/21)
6. 渋谷フクラスに復活 「東急プラザ渋谷」12月5日開業へ、テナントも発表(9/11)
7. 「フォーエバー21」日本事業撤退へ 10月末で渋谷店など国内全店を閉店(9/25)
8. 渋谷に「チキンラーメン」限定店 「トマチキ」などアレンジメニュー提供(10/3)
9. 新生「渋谷パルコ」11月下旬開業へ フロア構成やテナント約180店など明らかに(6/18)
10. 渋谷の女子高生が新元号を予想 「タピオカ」「卍」の回答も(3/26)
駅直上に位置し、出店テナントだけでなく地上230メートルの展望施設「渋谷スカイ」などにも注目が集まった渋谷スクランブルスクエアを筆頭にトップ10入りした新施設は、旧・東急プラザ渋谷跡を含む周辺再開発で開業した「渋谷フクラス」内に新生・東急プラザ渋谷がオープンしたほか、渋谷パルコも建て替えを経てしつらえも新たに営業を再開するなど、「復活」も大きなキーワードとなったのが特徴。
開業ラッシュの一方で、2009(平成21)年に日本進出を果たした米ロサンゼルス発ファストファッションストアチェーン「Forever21(フォーエバー21)」の撤退が決まり、渋谷センター街の路面店も10月松で閉店。再開発の動きに伴い、1934(昭和9)年に開業した東急百貨店東横店の営業が2020年3月31日で終了することも7月に発表され、閉店を惜しむ声とともにネット上を駆け巡った。
5位の「渋谷・桜丘町に排骨担々麺新店」のニュースは、桜丘口周辺の再開発で昨年閉店した老舗担々麺店「亜寿加(あすか)」の元店長が同店の味を再現する新店「Renge no Gotoku(レンゲノゴトク)」を桜丘町にオープンすることを伝え、復活を喜ぶ声が多く聞かれた。同じ「ラーメン」でも、井の頭通り沿いの路面に10月、期間限定でオープンした即席麺「チキンラーメン」の期間限定店「説(せつ)」は、「サバ缶ぶっこみ」「トマチキ」などのアレンジメニューを入場料200円で提供し、若年層にアピール。
ユニークなプロモーションでは、昨年開業した「渋谷ストリーム」(渋谷3)稲荷橋近くの渋谷川に突如出現した「カバの親子」がリアル過ぎると話題に。ドキュメンタリー専門チャンネル「ナショナルジオグラフィック」を運営するFOXネットワークス(品川区)のプロモーションの一環で、さまざまな環境の中で生きる野生動物たちの姿を追う新番組を、最大で全長4メートルにもなるカバの親子の造形物を川の中に設置することでアピールし、ネット上で画像が拡散した。
4月1日の発表前、日本中で予測が過熱した新元号の予測は、渋谷エリアの高校生を対象とした市場調査を手掛けるアイ・エヌ・ジー(宇田川町)のアンケート上位に浮上した「タピオカ」「卍」などのユニークな予想回答が話題となり、10位にランクインした。昨年9月の引退間際に渋谷駅周辺を「ジャック」した歌手・安室奈美恵さんの屋外広告がグーグルストリートビューで見られるとネット上で話題になったことを伝える記事は4位に入り、引退後も安室さんファンの間で根強く続くファン活動「アム活」が高いPVにつながった。
10位以下では、代官山「ヒルサイドテラス」のサンドイッチ店「トムスサンドウィッチ」閉店を伝える記事(12位)や、「前世はカツオ」と公言する女性店主「かつおちゃん」こと永松真依さんが、カウンターで自ら削るかつお節をメインに提供する手掛ける「かつお食堂」の新店オープン記事(15位)などの独立系店舗の話題がランクインした。