レコチョク(渋谷区渋谷2)とタワーレコード(大田区)は12月9日、インディーズアーティスト支援を目的にしたエッグス(渋谷2)を設立した。
両社は2015(平成27)年に音楽市場活性化と最大化に向けて戦略的業務提携を結び、NTTドコモを加えた3社でインディーズ・新人アーティストの活動を支援する「Eggプロジェクト」をスタート。インディーズを中心としたアーティスト2万組以上とリスナー30万人以上が登録する音楽プラットホーム「Eggs」を運営してきたほか、タワーレコード内に設けた「Eggsレーベル」からCDの発売や、レコチョク関連の配信サービスから楽曲配信、オーディションやライブへの出演など、活動を支援してきた。
今回、アーティストの活動支援を本格的に事業化するため共同で新会社を設立した。エッグスでは、レコチョクのノウハウでサービス企画やシステム開発、マーケティングを行い、タワーレコードの店舗運営ノウハウや、バイヤーの「目利き力」やネットワークを活用し、アグリゲーション(音楽配信流通サービス)やプロモーションの設計を行うなど、両社のアセット(資産)を生かし事業推進を図る。
新会社では、新たに個人で活動するアーティストやインディーズ音楽関連企業に向けた新サービス「TOWERCLOUD(タワークラウド)」を2020年2月に立ち上げる予定。同サービスは、アーティスト自身登録した楽曲をさまざまな音楽配信サービス(DSP)へデリバリーができ、その音源を使ってCD製作の委託やタワーレコードでの販売契約などをワンストップで展開できるプラットフォームになるという。同サービスとタワーレコードのバイヤーのネットワークを連動することで、レーベルやプロダクションに所属していないアーティストにも、タワーレコード店頭でのCD販売の機会などを与え、「有望なアーティスト」の早期発掘・成長の加速にも期待する。
同時に既存の「Eggs」も「進化」させ、アーティストがファンに直接ライブチケットやグッズを販売し、ファンクラブの運用などがシームレスに行えるシステムを構築する予定。
加えて、「タワークラウド」登録アーティストからライセンスを受け展開する「エージェント事業」も行う。タワーレコードのコーポレートボイス「NO MUSIC, NO LIFE.」とコラボレーションしたグッズを含むアーティストグッズなどの企画・制作、クラウドファンディングなどのサービスを展開するほか、エッグス関連ライブの主催や出演のあっせんなどをサポートする。
社長にはレコチョクでマーケティングおよびレーベルリレーションを担当し、Eggsプロジェクトを立ち上げた柴崎栄太郎さんが就任。柴崎さんは「音楽市場が大きく変化を遂げている中、『Eggs』を通して、多くの音楽(業界)を志すインディーズアーティストやそれを応援する若いリスナーたちと出会うことができた」と振り返りつつ、「そこに未来の音楽業界の希望を見出し、より活性化していけるよう、その活動のマネタイズ支援を行うべくエッグスを設立した」と同社設立の経緯を説明。「アーティストとファンだけでなく、アーティストを応援するライブハウスやタワーレコードのバイヤーの方々といったシーンに関わる全ての人を応援したい」と意欲を見せる。