新たな複合施設「渋谷フクラス」(渋谷区道玄坂1)内に12月5日に復活する「東急プラザ渋谷」が同3日、報道陣らに公開された。建て替えのため2015(平成27)年3月に閉館した旧・東急プラザ渋谷の跡地に立つ。
東急プラザ渋谷は地上2階~8階と屋上階層の17階・18階に出店。「感度が成熟した都会派の大人」をターゲットに、「食」「健康」「美」「趣味」「ライフプラン」を軸とした全69店舗を集積。公共空間となる17階の屋上空間「SHIBU NIWA(シブニワ)」をはじめ、ソフトバンクロボティクス(港区)がヒューマノイドロボット「Pepper(ペッパー)」などを導入しロボットとの共生を打ち出す新業態「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」、「渋谷の大人のお墨付き食堂」をコンセプトとする飲食フロア「シブヤグラン食堂」などで「成熟」したライフスタイルを提案する。
総売り場面積は約2500坪で、商環境デザインは国内外で活躍するインテリアデザイナー森田恭通さん(グラマラス)が手掛けた。石(2階)、陶器(3階)、紙(4階)、金(5階)、木(6階)、土(7階)、光(17階)と、各階で異なる素材を使うほか、2階の一部には旧東急プラザ渋谷の外壁に使われていた石を再利用。曲がり角や段差を無くし「歩きやすく見通しの良い」空間に仕上げる。
施設の象徴となるのは、17階のルーフトップガーデン「シブニワ」。広さ1200平方メートル弱となる屋上空間は、渋谷の「新名所」として、無料で入れるパブリックな空間にさまざまな椅子や樹木を配置する。広場に面する形で、17階・18階には、シンガポール「マリーナベイ・サンズ」にも出店するエンターテインメントレストラン「CE LA VI(セラヴィ)」が日本初出店する。
17階にカフェ&バー業態「BAO by CE LA VI」とラウンジ「CE LA VI CLUB LOUNGE」、18階にファインダイニング「CE LA VI RESTAURANT & SKY BAR」とシーンに合わせて利用できる3業態を展開する「セラヴィ東京」もこの日、水を使った演出や、ゆったりとしたソファ席、夜景を望みながら食事ができるテラス席などが公開された。
目玉フロアとして新しいチャレンジの場に位置付ける5階は、「シブヤライフラウンジ」をテーマにしたサービスフロア。フロア中心に出店するソフトバンクロボティクス初のカフェラウンジ「ペッパーパーラー」は、受け付けで5体のペッパーがお出迎え。ブランドプロデューサーに、コーポレートブランディングや商品開発、アパレルデザインなどで活躍する柴田陽子さんを迎え、内装デザインは施設の商環境デザインと同じく森田さんが担当した。
コケで覆った照明や店内の仕切り、左官職人・久住有生さんが手掛けた一部の壁面をはじめ、ウッドやストーン、土などの天然素材を採り入れ、先端技術を導入しながら「自然」を感じられるラウンジのような空間が特徴で、グリル料理を提供する「THE BURN」(北青山1)のシェフ米澤文雄さんが監修するメニューは、和や洋など世界各国の料理とワッフルを組み合わせた料理やビーガン対応料理などを提供。店内にはコーヒースタンド「The Premium Coffee」も併設する。
ペッパーはカウンターで注文の手伝いのほか、来店客と「相席」も。メニューのコンセプトに合わせ世界のさまざまな国をイメージしたダンスを披露するヒューマノイドロボット「NAO」や、営業終了後にはAI(人工知能)清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」が床を清掃するという。
同フロアにはほかに、終活をサポートする「LIFE STORIES SALON」のほか、資産形成や運用、承継の世代間サポートをする「三井住友信託銀行」、服やバッグをリメークする「アトリエ・クチュリエール」、相談カウンターを併設しブランド品の買い取りサービスを手掛ける「なんぼや+miney(マイニー)」、HISの新業態「High Premium HIS Hills Shibuya(ハイプレミアム エイチ・アイ・エス ヒルズ シブヤ)」など計8店舗をオープンし、大人世代のライフプランの「悩み解決」につなげるという。
玄関口となる2階には4店舗が出店。ビームスが「日本」をキーワードにさまざまなコンテンツをキュレーションする「BEAMS JAPAN(ビームスジャパン)」では、ハチ公やスクランブル交差点をモチーフにした新しい土産も販売。新業態の「アコメヤ食堂」を併設するサザビーリーグのライフスタイルショップ「AKOMEYA TOKYO」とビームスジャパンは共に、施設2階に新たに開通した歩行者通路にもエントランスを設ける。
2階にはほかに、渋谷フクラス上層のオフィスフロア(9階~16階)に入居するGMOインターネットが展開し、「最先端」のデジタルアートを大型モニターで上映する待ち合わせスポット「GMOデジタル・ハチ公square」と、定番和菓子に「新たな感性」を加えた和モダンスイーツを提供する「tamayose(タマヨセ)」が出店する。
19店舗が集積する3階は、「渋谷でありそうでなかった、本物を知る大人のこだわりや一品のアイテムが見つかる」フロア。刃物などの道具をそろえる創業227年の老舗「日本橋木屋」をはじめ、伝統の絞り染めの「片山」、創業120年以上の京都発・老舗竹製品「公長斎小菅」など、都内・渋谷初出店は8店舗。月替わりで設定したテーマに沿い4店舗が1カ月サイクルで出店するプレミアムコンセプトストア「111-ICHIICHIICHI-」の第1弾は、人気デザイナー丸山啓太さんがプロデュースする「Salon de MARUYAMA」が出店する。
4階はエージングをサポートする「美と健康」をテーマにした17店舗がそろう。「健康ソリューションサロン」としてロート製薬がアイケア、スキンケア、インナーからのケアで商品やサービスを提供する「ロートQuality Agingサロン」や、ワコールと東急百貨店が組み「心と体の美しさ」を提案する「ワコール+Q(プラスク)」、専門の購入前プログラムやスタイリッシュな展示スペースも目を引く補聴器専門店「東京ヒアリングケアセンター」などの新業態も集まる。
6階・7階は食フロア「渋谷グラン食堂」。「『日本初』のような派手さではなく、さまざまな気分でチョイスできるバラエティーあふれる13店舗がそろった」(長尾康宏総支配人)と言い、「大人」がカジュアルに使いこなせる食堂空間をイメージした。共にミシュランガイドに掲載され渋谷エリア初出店となる人気モダン鉄板焼き「OSAKAきっちん。」と、チーズなどを使った新感覚のラーメン「らぁ麺ドゥエ イタリアン」をはじめ、うなぎ・日本料理店「鰻 渋谷松川」と、すし店「ささしぐれ 築地玉寿司」の老舗両店は旧東急プラザ渋谷からの再出店で「復活」を果たす。
6階のエスカレーター横の吹き抜け空間には、「フード&ミュージック&アート」をテーマにした直営バル&ラウンジ「GRAND SESSION(グラセッション)」も出店し、イベントなどにも対応する。
7階は6階とは雰囲気を変え、個室などを備えゆったりと食事できる店舗をそろえたという。京都発「だししゃぶ」で知られる日本料理・しゃぶしゃぶ店「京都 瓢斗(ひょうと)」が都内初出店するほか、点心・中華・火鍋の「広尾 花椒庭(かしょうてい)」、ティーストア「THE ALLEY(ジ アレイ)」などが出店。定額制セルフエステスタジオ「BODY ARCHI」もサロンを構える。8階は、「酒井歯科室」「東急リバブル」が出店。
渋谷フクラスではこのほか、17階に企業やクリエーターのスタートアップを支援し、クリテーティブコンテンツ産業や外国企業の進出の足掛かりとなる産業進出支援拠点を開設。1階には、企業や自治体などの訪日プロモーション支援などを手掛けるJTBコミュニケーションデザイン(港区)と東急不動産が組み、総合プロデューサーにシティーガイド「タイムアウト東京」を運営する手掛けるオリジナル(広尾5)の伏谷博之社長を招く観光支援施設「shibuya-san(シブヤサン)tourist information&art center」がオープン。施設に面したバスターミナルには、空港リムジンバスや東急バスの一部が乗り入れる。
飲食店では、つけ麺専門店「つじ田」やスターバックスコーヒー、レモネード専門店「LEMON by レモネードレモニカ」、プロントの新業態カフェ&バー「IL BAR(イルバール)」がオープンしている。
東急プラザ渋谷の営業時間(一部店舗は異なる)は、物販・サービス=10時~21時、飲食・17階屋上テラス=11時~23時(屋上テラスは最終入場22時30分)。
ショップ一覧は以下の通り。
▼2階
「AKOMEYA TOKYO(アコメヤ トウキョウ)」(食品・雑貨・和食カジュアルダイニング/新業態)、「tamayose(タマヨセ)」(和菓子/新業態)、「BEAMS JAPAN(ビームスジャパン)」(服飾・雑貨/渋谷エリア初)、「GMOデジタル・ハチ公square」(待ち合わせスポット/新業態)
▼3階
「DRYADES(ドリュアデス)」(ショコラトリー/渋谷エリア初)、「Madu~on the table~(マデュ オンザテーブル)」(生活雑貨)、「日本橋本屋」(刃物・ライフスタイル雑貨/渋谷エリア初)、「ROPE LA LIGNE(ロペ ラリンニュ)」(レディスウエア/新業態)、「KAZURA(カズラ)」(レディスウエア・コスメ・ファッション雑貨/新業態)、「essence of ANAYI LUMIEA(エッセンスオブアナイルミエア)」(レディスウエア)、「金子眼鏡店」(眼鏡)、「sot(ソット)」(革小物)、「Maito Design Works(マイトデザインワークス)」(ナチュラルファッション雑貨/渋谷エリア初)、「BARCOS(バルコス)」(バッグ・小物/渋谷エリア初)、「片山文三郎商店」(和雑貨/渋谷エリア初)、「近沢レース店」(レース製品/新業態)、「Hacoa DIRECT STORE(ハコアダイレクトストア)」(木製デザイン雑貨/渋谷エリア初)、「111-ICHIICHIICHI-(イチイチイチ)」(ポップアップスペース/新業態)、「フラワーラウンジ ブランハンナ」(フラワー&グリーン/渋谷エリア初)、「THANN(タン)」(コスメ/渋谷エリア初)、「公長斎小菅」(竹製品/都内初)、「伊織」(タオル・生活雑貨/渋谷エリア初)、「COTOMONOMARCHE(コトモノマルシェ)」(アクセサリー)
▼4階
「NIHONDO KAMPO BOUTIQUE(ニホンドウカンポウブティック)」(漢方)、「私の部屋/キャトル・セゾン」(生活雑貨/渋谷エリア初)、「アシックスウォーキング」(シューズ)、「The HAIR LOUNGE Hatsuko Endo」(ヘアサロン・ヘアアイテム/渋谷エリア初)、「ロートQuality Agingサロン」(アイケア・コスメ/新業態)、「share with Kurihara harumi(シェアウィズクリハラハルミ)」(キッチン雑貨/渋谷エリア初)、「タリーズコーヒー」(スペシャルティコーヒー)、「Blue Stripe la classe(ブルーストライプラクラス)」(コスメ/新業態)、「ワコール+Q(プラスク)」(レディスインナーウエア・雑貨/新業態)、「アットアロマ」(アロマ雑貨)、「井上誠耕園」(オリーブオイル専門店/渋谷エリア初)、「Achilles LifeStyle Store(アキレスライフスタイルストア)」(シューズ・ベッドマットレス・壁紙/新業態)、「ルピシア」(お茶専門店)、「MARY QUANT(マリークヮント)」(コスメ・レディスウエア・服飾雑貨)、「東京ヒアリングケアセンター」(補聴器/新業態)、「ペーパーグラス東京」(老眼鏡・サングラス/渋谷エリア初)、「EstheProLabo SHIBUYA(エステプロ・ラボシブヤ)」(インナービューティー)
▼5階
「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」(カフェラウンジ/新業態)、「アトリエ・クチュリエール」(洋服・バッグのお直し、オーダー・リメーク/新業態)、「保険見直し本舗」(保険代理店)、「三井住友信託銀行」(信託銀行)、「High Premium HIS Hills Shibuya(ハイプレミアム エイチ・アイ・エス シブヤ)」(旅行/新業態)、「EXCELLENT RELAXATION SALON JYOICHI(エクセレントリラクセーションサロンジョーイチ)」(リラクセーションサロン/都内初)、「なんぼや+miney(マイニー)」(買い取り・資産相談/新業態)、「LIFE STORIES SALON(ライフストーリーズサロン)」(ライフサポート/新業態)
▼6階
「手打ちそば 竹ノ内」(そば/新業態)、「ピッツェリア&肉イタリアン OTTIMO VITA(オッティモヴィータ)」(イタリアン/新業態)、「ささしぐれ 築地玉寿司」(すし)、「純洋食とスイーツ パーラー大箸」(洋食・パーラー/新業態)、「黒毛和牛バル 腰塚」(ミートバル/渋谷エリア初)、「OSAKAきっちん。」(鉄板焼き/渋谷エリア初)、「鹿児島料理 丸万」(和食/都内初)、「京都宇治 藤井茗縁」(茶寮/新業態)、「サロン ウフ エ モア」(卵料理/渋谷エリア初)、「鰻 渋谷松川」(うなぎ日本料理)、「とんかつとんQ」(とんかつ/都内初)、「GRAND SESSION(グランセッション)」(バル&ラウンジ/新業態)、「らぁ麺 ドゥエ イタリアン」(ラーメン/渋谷エリア初)
▼7階
「京都 瓢斗」(日本料理・しゃぶしゃぶ/都内初)、「やきとり 荒木山」(焼き鳥)、「THE ALLEY(ジ アレイ)」(ティーストア)、「広尾 花椒庭」(点心・中華・火鍋/渋谷エリア初)、「BODY ARCHI(ボディアーキ)」(セルフエステスタジオ)。
▼8階
「酒井歯科室」(歯科)、「東急リバブル」(不動産仲介)
▼17階・18階
「CE LA VI TOKYO(セラヴィ東京)」(カフェ・クラブラウンジ・ファインダイニング/日本初)