12月5日に開業する東急プラザ渋谷(渋谷区道玄坂1)3階に、ポップアップスペース「111-ICHIICHIICHI-」がオープンする。
東急不動産(道玄坂1)が取り組む「次世代型商業事業」の実証実験店舗と位置付ける同スペース。ECの拡大やSNSを中心とした情報発信ツールの発達に伴い、「流行の移り変わり」が速くなり、消費者の「趣味趣向も次々と移り変わる」こと、自社ECのみで商品を販売するDtoC(Direct to Consumer)ブランドも多く誕生していることから、複数年単位で変わらない商業施設のテナントでは消費者のニーズには「応えきれない状況になっている」と同社は考える。
一方、EC中心のブランドや地方で知られるブランドなどの「リアル店舗でのポップアップスペースに対する需要も高まっている」という。そうした背景から、同所では敷金など出店初期費用を軽減するほか、リーフレットやPR動画制作などプロモーションサービスで支援。エントランスにはパッサーカウンター(人数計測装置)をはじめ、属性推定カメラ、人流分析カメラなどのセンシング機器を導入し、ECでは主流である消費者の消費行動の把握を図る。来店客データは出店者にレポートとしてフィードバックする。
月替わりで設けるテーマに合わせて、「個性的な」4ブランド・ショップを誘致する同所。空間デザインはアッカ(渋谷2)の袴田広基さんが担当し、「上質さと可変性」をテーマに、出店面積をフレキシブルに変えられるようにするほか、商品に合わせて選べる取り外し可能な什器を採用。区画内には、それぞれ試着室とサイネージを設置するなど、出店者が「出店しやすい空間と仕組み」を提供する。店舗面積は約132平方メートル。
第1弾はファッションデザイナー丸山敬太さんがプロデュースする「Salon de MARUYAMA」が出店。丸山さんが手掛けるブランド「KEITA MARUYAMA」の刺しゅうニット(4万1,800円~)をはじめ、利休バッグ(5万5,000円~)、イギリスのアンティーク家具や北欧のビンテージ家具などを扱うインテリアショップ「ロイズ・アンティークス」とのコラボチェア(6万500円~)などをセレクトするという。展開は今月16日まで。
第2弾(今月17日~2020年1月16日)は「手仕事」をテーマに、ストールブランド「TARA BLANCA(ターラ・ブランカ)」、ジュエリーブランド「MASAAKi TAKAHASHi」、ドレスシャツ専門店「葉山シャツ」、革製品&シルバーブランド「GRANT」が出店する。
営業時間は10時~21時。