10月31日で閉館した代官山・八幡通り沿いの複合施設「TENOHA DAIKANYAMA(テノハ代官山)」(渋谷区代官山町)で11月22日、アートフェアイベント「GRADATION 代官山」が始まった。主催は同施設事業主の東急不動産(道玄坂2)。
建物というハード面だけでなく「魅力的なコンテンツ」を含め街づくりに取り組んでいる同社。同イベントは、「渋谷のカルチャーをかたち作る」アートや音楽、メディア、テクノロジーなどを体験できる場として企画した。閉館イベントのような位置付けとなる。
同様の取り組みは、現在再開発工事が進む桜丘に存在した旧「ヤマハエレクトーンシティー渋谷」(桜丘町)でも実施。同車が事業主の1社として参画している12月5日に開業を控える渋谷フクラス(道玄坂2)で、エンターテインメントレストラン「CE LA VI(セラヴィ)」、観光支援施設名が「shibuya-san(シブヤサン)tourist information&art center」でもカルチャーを取り入れることから、過去の施設から新施設につながるような企画として展開してきた。
桜丘でのイベント時と同じく、現代アートギャラリー「hiromiyoshii(ヒロミヨシイ)ropponngi」オーナーの吉井仁実さんがキュレーションを担当。アーティスト40人弱が参加しているが、7~8割は入れ替えたという。参加するのは、写真家の森山大道さんや荒木経惟さん、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホル、英現代アーティストのダミアン・ハーストさん、NYを拠点に活動するMEGURU YAMAGUCHI(山口歴)さん、コラージュアーティスト河村康輔さんとグラフィックアーティストYOSHIROTTENさんのアートユニット「UTOPIE(ユトピー)」、異なる2カ所の街の合成写真で知られる写真家P.M.Kenさん、ネオンアーティストのwakuさん、アイドルグループ「でんぱ組.inc」の元メンバー・夢眠ねむさんなど。テノハ代官山は中庭があったことが特徴だったことから、植物を使うアーティストもラインアップ。レスリー・キーさんは20年撮影してきた「VOGUE Taiwan」のカバー写真を一堂に展示する。
「アートと音楽を使ってイノベーションのかたちを見せていきたい」(吉井さん)と、「そこにある物を生かして、今までに無い物をつくっていく」ことをコンセプトの一つに、キッチンや浴槽など住宅展示場の設備や、コワーキングスペースのブースなども生かして作品を展示している。作品は販売も行う。
渋谷のナイトタイムエコノミーイベントとしても位置付け、期間中の14時~23時には「アートミュージックラウンジ」も営業。アートを展示した空間の中で、連日さまざまなアーティストがDJプレーを披露。今月25日には、観光庁が主催するナイトイベントも予定する。
開催時間は12時~23時(日曜は21時まで)。月曜・火曜休館。入場料は、大人=3,000円(事前予約=2,000円)、大学・高校生=1,000円、中学生以下無料。12月15日まで。