2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場になる新「国立競技場」(渋谷区千駄ヶ谷1ほか)が11月30日、3年にわたる建て替え工事を終え、完成する。
明治神宮外苑に隣接する競技場は、1964(昭和39)年の東京五輪開催に伴い建てられた国立競技場(国立霞ヶ丘競技場・陸上競技場)を全面的に建て替える形で、2016(平成28)年11月に準備工事に入り、翌12月に本体着工。敷地面積は約11万3000平方メートル、延べ床面積19万4000平方メートル(建築面積約7万2400平方メートル)。
建築家・隈研吾さん率いる隈研吾建築都市設計事務所と大成建設、梓設計のチームによる共同企業体が設計・工事管理に参画し、地上5階、地下2階、高さ47.4メートルのスタジアムに約6万席を設ける。文部科学省所管の独立行政法人「日本スポーツ振興センター(JSC)」が運営主体となり、施設も所有する。
「杜(もり)のスタジアム」として、周辺の緑に溶け込むよう高さをできる限り低く抑え、外周を取り囲む庇(ひさし)などに国産木材を採用したのも特徴で、木材は鉄骨と組み合わせ屋根にも使われ、木の「ぬくもり」を出すほか、庇は在来種の植物で緑化も行う。最上階には「空の杜」と名付け1周約850メートルの散歩道を整備するなど市民に開放し、オリパラ開催後も開かれたスポーツ振興の拠点を目指す。
JSCによると、競技場は今月14日で全ての工事が完了し、検査作業を終え予定通り30日に完工。工事費は賃金・物価変動による増額も含め1,569億円となる(2019年11月時点)。