超高層複合施設「渋谷スクランブルスクエア」東棟(渋谷区渋谷2)7階のイベントスペース「L×7」で11月21日、クリスマスインスタレーション「NEO CLOUD(ネオ・クラウド)」の展示が始まった。
米ロサンゼルスを拠点にするアーティスト集団「Poetic Kinetics(ポエティック・キネティクス)」の作品となる同インスタレーション。ポエティック・キネティクスは大規模なパブリック・アートインスタレーションを専門に手掛け、米野外フェス「コーチェラ・フェスティバル」の会場に展示した宇宙飛行士(Escape Velocity)などで知られる。
ネオ・クラウドは、2016年にロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサート・ホールで展示した作品をベースに、雲を表現した作品。7階から8階にかけて吹き抜けになっている空間に、全長約11メートルの雲をかたどったオブジェをつるし、作品の中と外(フロア内)計32台のLEDライトで光の演出を行う。オブジェは金網や鉄の棒でベースを作り、表面を不燃性のポリエステルで覆い、手作業で毛羽立たせ雲のように見せている。
LEDライトは時間によって異なる演出を行う。日の出を想像させる「サンライズ」(10時~11時)から、快晴、雨、雷などさまざまな天気模様を1時間ごとに展開する「クラウズ・イン・ザ・ワールド」(11時~16時)、日の入りを表現する「サンセット」(16時~17時)までが昼の部。以降はクリスマスイルミネーションとして「幻想的な」カラーで表現する。
期間中、同フロア併設のカフェ「Trueberry」ではコラボレーションドリンクを提供。スーパーフード「ブルーグリーンアルジー」とレモネードをベースにレモンピールを加え、雲をイメージしたキビ糖の綿菓子にバタフライピーパウダーで青空をイメージしたジュース(650円)や、紅茶ゼリーやチアシード、カカオニブ、大学芋、アップルシナモン、豆乳アイスなどに綿菓子をのせるパフェ(1,180円、以上全て税別)の3種類をラインアップする。
初日には、ポエティック・キネティック代表のパトリック・シャーンさん、モデルやDJなどで活動する浦浜アリサさんを招いたセレモニーを実施。「何年も(日本で展示する)チャンスが無いかと思っていた」というシャーンさんは、「新しくできたビルを祝うという意味で、作品を展示するのはワクワクする」と喜びを表現。「東京を訪れたことはあるが、渋谷は初めて」と言い、「クレイジーな街」と笑う。
作品について、シャーンさんは「雲はソフトな感じで女性的な感じがするが、対照的にビルの中は角張った感じなので、そのコントラストを考えるとともに、モノクロの雲とカラフルなビルの中もコントラストになると思った」と解説。「忙しない時代なので、立ち止まってゆっくりペースを落として周りを見て楽しむことを考えた」と続けると、浦浜さんも「渋谷には仕事で来ている方も多いと思う。一瞬でも深呼吸して、空を見上げる瞬間が、ここでできたらすてきなのでは」と笑顔を見せた。
点灯時間は10時~21時。観覧無料。12月31日まで。