Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月16日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で京都ハンナリーズ(以下、京都)と戦い90-68で勝利した。観客数は2184人。
チームのポイントゲッターの1人であるライアン・ケリー選手が大爆発したこの日。試合の経過とともに調子を上げていったケリー選手は、第2Q終盤に連続でオーバーレンジの3ポイント(P)を2本連続で決めると、後半立ち上がりにも3P、ドライブ(ドリブルでリングに向かうプレー)からのレイアップと連続得点。スチール(攻撃中の相手からボールを奪うプレー)から走りダンクも決め、ケリー選手も「好調だった」と振り返る。ディフェンス(DF)面でも「前節はあまりアクティブではなかったので切り替えよう」と試合に臨み、ブロックショット(シュートブロック)3本をマーク。「スカウティングもしたので、DFの読みも効いたのかな」と話した。
今節は外国籍選手にもマッチアップできる杉浦佑成選手が今季初スタメン入りを果たした。杉浦選手は「ゲームを作る責任がある」と緊張感をもって試合に入ったというが、「コートに出ている時は(得点を)狙うと決めている」と、最初の攻撃から積極的にリングを狙った。前節、武器である3ポイント(P)シュートを決められず、「今週ずっと悩みながら練習してきた」杉浦選手だったが、第1Qでは3本の3Pを決めた。「2本目が一番しっくりきて、今日いけるかも」と手応えを感じていたと言う。後半は思うようにアテンプトが伸びなかったが、「意識を強めた」というリバウンドに絡む場面が見られた。
伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は「すごくいいDFだった」とDFを勝因に挙げた。渡辺竜之佑選手が、「出たら相手のガードつぶしてやろう、という思いでがんがんプレッシャーかけた」と言うよう、立ち上がりからプレッシャーをかけミスを誘う場面が見られ、第2Qにはスチール(攻撃中の相手からボールを奪うプレー)からの速攻も増えた。シュート率も60%超えと好調だったが、点差は10点前後と「嫌な感じではあった」(伊佐HC)が、SR渋谷のお家芸ともいえる頻度の高い交代で「タイムシェアしながらボディーブローのように足を使っていこう」と我慢の展開となる。「3Qから一気に行くぞ」という伊佐HCに応えるよう、後半の開始役3分で一気に20点差を付けた。同Qで29点を奪うと共に京都を12点に抑え、ゲームの主導権を握った。
前節の敗戦から「絶対に連敗だけは阻止しようと皆で話した」と言う渡辺選手。「その思いが練習でも出てきてバチバチやってきた。その気持ちが勝ちにつながった」と話す。杉浦選手は「点差は開いたが、緩くなる時間帯もあり、僕は気持ちの良い勝ち方ではないかな。欲をいえば、前半も(点差を)離せるポイントがあったと思うので、もっと早めに、(相手の)心を折れるようなチームになったら」と向上心を見せる。
この日は、SR渋谷と同じく渋谷を拠点にする3人制バスケ「3x3」のプロチーム「TOKYO DIME(東京ダイム)」とコラボレーション企画を展開。ハーフタイムには東京ダイムの選手たちがエキシビションマッチも行った。昨シーズンに続くコラボとなった今回。チームのオーナーでもある京都の岡田優介選手は「お互いで盛り上げていけば、渋谷のバスケシーンを盛り上げていける」と期待を込め、「3人制バスケはなかなか2~3000人の前でプレーすることがないので、選手たちにはいい経験になったのでは」と話す。この日は東京ダイムの選手も見守る中での試合だったが、「ミスも多く申し訳なかった。普段はオーナーとして指示をしているが、選手としては必至こいて不細工な顔しながらも頑張っているところを選手たちに見せられたのは良かった」と振り返った。