明治神宮に10月26日、建築家・隈研吾さんが設計した展示施設「明治神宮ミュージアム」が開館した。鎮座100年を迎える2020年の「鎮座百年祭」記念事業の一環。
原宿口の鳥居から続く南参道に沿って建てられた2階建てのミュージアムは、「杜(もり)と調和する」デザインや、緩やかな勾配の屋根が特徴。延べ床面積は約3200平方メートル。
1階のメインロビーは大きな窓と吹き抜けで開放的な空間に。同フロアの「杜の展示室」では、明治神宮の歴史や日々の営みを展示や映像で紹介する。2階は、明治神宮の木々や参道の様子を臨むロビーのほか、「宝物展示室」では、伊・版画家で画家のエドアルド・キヨッソーネが描いた明治天皇・昭憲皇太后の御尊影や、修復した「六頭曳儀装車」などの御宝物を展示。定期的に展示替えし特別展・企画展を開く「企画展示室」も設ける。
代々木口近くの「宝物殿」は、東日本大震災で被災した屋根の修復と重要文化財としての保存に必要な耐震工事施工のため2017(平成29)年から一時閉館。ミュージアムでは、宝物殿に収蔵されていた明治神宮の御祭神なども展示している。
開館記念展として現在、「明治宮廷の世界」(前期)と題し、明治天皇・昭憲皇太后が宮廷生活で使われた象徴的な品々を公開。2020年3月29日からは、明治神宮創建時から明治天皇・昭憲皇太后御祭神として鎮まられた内陣に約100年間安置されていたびょうぶを中心に展示する。
開館時間は10時~16時30分(入場は30分前まで、例祭と初詣期間は時間延長有り)。木曜・1月20日~24日休館(11月14日・1月2日は開館)。入館料は、一般=1,000円、学生・団体=900円、杜の展示室のみ=300円。