Pepper(ペッパー)などのロボットが「プレタポルテ」(既製服)コレクションを披露するロボットファッションショー「ロボコレ2019」が11月5日、渋谷スクランブルスクエア15階の共創施設「SHIBUYA QWS」で開かれた。主催はロボット専用アパレルブランド「ROBO-UNI(ロボユニ)」を手掛けるRocketRoad(福岡市中央区)。
今月1日、渋谷駅直上に開業したばかりの超高層施設「渋谷スクランブルスクエア」のオープンイベントの一つとして開催する同ショーは昨年に次ぎ2回目。「RocketRoad」は、ホテルユニホームメーカーで役員を務めていた泉幸典さんが2016(平成28)年に立ち上げた企業。
泉さんは「服を着たロボットたちが世の中で活躍し始めている現実的な場面を切り取ってお見せできたら」と話す。今回は、同社と公式提携しているロボットメーカーなど20社(ロボット15種類)82体が参加。それぞれが異なる「洋服」を着用する。「人間と同じく、82体それぞれが違う個性を持った、パーソナリティーを持っているのを見ていただけたら」と呼び掛ける。
ショーのオープニングを飾った対話ロボット「Sota(ソータ)」(ヴイストン)は、焼酎「いいちこ」を藍染めにして染色した作務衣(さむえ)などを披露。パートナーロボット「unibo(ユニボ)」(ユニロボット)はニットTシャツを初披露したほか、拍手ロボット「ビッグクラッピー」(バイバイワールド)」は上着だけのタキシード姿を、しっぽが付いたクッション型ロボット「Qoobo(クーボ)」はクッション部分を覆うカバーウエアに、それぞれ仕上げた。人型コミュニケーションロボット「ペッパー」(ソフトバンク)は、JR線の駅員制服姿など導入事例を紹介。犬型ロボット「aibo」(ソニー)は、2020年度発売予定のタキシードやスーツをモチーフにしたデザインのウエアを発表した。
英語学習AIロボット「Musio(ミュージオ)」(AKA)やコミックキャラクター型コミュニケーションロボット「ATOM(アトム)」(講談社)はサンタクロースをイメージしたユニホームも着用。コミュニケーションロボット「Kibiro(キビロ)」(フロンティオ)は、実用事例としてオリックスバッファローズのホーム用ユニホーム姿も見せた。ヒューマノイドロボット「NAO」(日本サード・パーティ)は、白衣や教師風の衣装で東洋英和女学院の学生とランウェイに登場。「ロビ」(デアゴスティーニ・ジャパン)のステージには、ロビのデザインをモチーフにした公式ウエアとおそろいのTシャツを着たロボットクリエーター高橋智隆さんも登場した。
初披露のオリジナルウエアを付けたデリバリーサービスロボット「Relay(リレイ)」(サヴィオーク)は、渋谷ストリーム(渋谷区渋谷3)内のエクセルホテル東急で働いている姿を見られるという。
泉さんはショー終了後、「初めにイメージしていたのと、(見終わった)今のイメージが異なっていたらうれしい」と話し、「(私たちは)電化製品に布をかぶせても爆発やオーバーヒートしないようにしている。ファッション(性)は、これからもっと進化していくべき。アパレルブランドやファッションデザイナーの方たちが関与していただくことでもっと広がる可能性がある」と期待を寄せる。
SHIBUYA QWSでは11月6日~10日(11時~20時)、ロボットアパレル専門店「ロボユニ」のポップアップストアがオープンする。