米ロサンゼルス発のファストファッションストアチェーン「Forever21(フォーエバー21)」の国内全店舗が10月31日で閉店する。日本からの撤退発表後、店舗では今月に入り閉店セールが本格化し、全6フロアに売り場を構えてきた渋谷センター街の「渋谷店」(渋谷区宇田川町)も、レジに長蛇の列ができるなど、連日セール品を求める客でにぎわいを見せていた。
1984年にロサンゼルスで創業したフォーエバー21は、「ベストファッションを最小プライスで提供する」をコンセプトに、シューズ、アクセサリーを含めたトータルコーディネートが100ドルで購入できる低価格を売りに出店を加速。2009(平成21)年4月に原宿・明治通り沿い(神宮前1、2017年に閉店)に日本1号店を出店。2010(平成22)年には、それまで「HMV渋谷店」が出店していた「高木ビル」に渋谷店を出店した。
スクランブル交差点にも近いバスケットボールストリートと井の頭通りの双方に面した好立地で、黒字に黄色で書かれた屋上看板の「F21」の文字は、駅前の屋外ビジョン群と並び、スクランブル交差点の風景の一部にもなってきた。閉店セールが始まると、セーターなどの秋冬物や、ファストファッションらしいカラフルなTシャツやワンピースなどを手に、訪日外国人も含め多くの客がレジに並び、閉店が迫るにつれ商品は残りわずかに。会計を待つ列は開店直後から続いている。
ミレニアムを迎え、90年代に一世を風靡(ふうび)したギャル文化も多様化する中でオープンし、「SHIBUYA109」や競合チェーン「H&M」などと並び、渋谷に訪れるティーンらも頻繁に訪れる店として親しまれてきた同店。仮装した多くの若者らで渋谷駅周辺がにぎわうこの日、9年の歴史に幕を閉じる。