Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が10月20日、アリーナ立川立飛(立川市)で京都ハンナリーズ(同、京都)を81対53で下した。
前日93-100というハイスコアゲームで敗れたA東京。「チームルールを徹底できず」(田中大貴選手)京都の主力選手であるジュリアン・マブンガ選手とデイヴィッド・サイモン選手、元A東京の3ポイント(P)シューター松井啓十郎選手それぞれに20点以上の得点を許した。この日は、「1対1にもっと警戒心を持つ」「ピック&ロール(オフェンスの1種)には2人で守る」など決められたディフェンス(DF)の遂行力を高めた。
第1クオーター(Q)からスチール(攻撃中の相手からボールを奪うプレー)を4本奪うなど堅いDFでA東京のペースに持ち込むと、第2Qにはオフェンス力を発揮。田中選手のドライブ(ドリブルでリングに向かうプレー)からアレックス・カーク選手のダンクシュートというホットラインが見られたほか、安藤誓哉選手が終盤に連続で3Pを決めるなど27点を挙げ14点のリードを奪った。マブンガ選手、サイモン選手がベンチに下がった試合終盤も「点差に構わず自分たちのプレーをしよう」(ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC))と手を緩めることなく、京都の得点を全クオーター10点台に抑え勝利を収めた。パヴィチェヴィッチHCは「最後まで我々らしさが出た。DF面で勝利した」と勝因を上げる。
ザック・バランスキー選手、小島元基選手、ジェフ・エアーズ選手がけがで離脱中のA東京。パヴィチェヴィッチHCは「メンバーが少なくローテーションも厳しい中で、インテンシティーレベルを継続しアグレッシブに戦った。選手の努力でスタンダートレベルを下げずにハードに戦っている」と選手たちをたたえた。
田中選手は「うちはタイムシェアをして(プレーの)強度を落とさないスタイルなので、けが人が出ると苦しい展開になる。口で言うのは簡単だが、皆でカバーするのは思っている以上に本当に大変」としながらも、「負担はどんどん掛かってくると思うが、自分がもう一つタフになったり、苦しい状況でいいパフォーマンスができるようになったりするいい機会」と前向きな姿勢を見せる。
この日は、アキレス腱の炎症でインジュアリー(故障者)リスト入りしたエアーズ選手に代わり入団したケビン・ジョーンズ選手が初出場を果たした。2~3週間程前に来日したばかりながら、第1Qから4得点4リバウンドと持ち前の「エネルギーのあるプレー」を見せていく。最終的に13得点10リバウンドとダブル・ダブルを記録。「いいできでチームに貢献できたと思うが、まだまだかみ合っていない部分もある」と満足はしない。DF面では、ジョーンズ選手が出場している時間帯はサイモン選手に得点を許さなかった。「昨シーズンも対戦しているので特徴は分かっている。抑えられたと思う」と手応えをうかがわせた。
A東京には、琉球ゴールデンキングスでチームメートだった須田侑太郞選手とエアーズ選手がいることから「チームに溶け込むのに2人がいるのは心強い。特にジェフは同じポジションなのでアドバイスをもらっていて助かっている」とも。
まだシーズン序盤だが、A東京は3勝2敗で東地区5位と沈んでいる。パヴィチェヴィッチHCは「今は我慢の段階。自分たちらしさを取り戻して、いずれは必ず順位を上げていきたい」と意気込む。
A東京は次節今月23日アウェーでレバンが北海道と戦った後、26日・27日にホームでシーホース三河と戦う。