11月1日開業の超高層複合施設「渋谷スクランブルスクエア東棟」26階に一足早く本社を移転した、「イモトのWiFi」などを運営するエクスコムグローバルが10月1日、報道陣向けに新オフィスを披露した。
1995(平成7)年に渋谷で創業した同社は、海外渡航時の携帯電話レンタルや海外用のモバイルデータ通信サービスなどを中心に事業を展開。2012年にタレント、イモトアヤコさんを広告に起用した「イモトのWiFi」ブランドの提供を始め、一気に知名度を伸ばし業績を拡大。2018年8月度売上高実績によると、総売上高は84億円を数える。
創業から25年目の節目を迎える今年、事業拡大と「働きやすい最高のオフィス環境」を従業員に提供するため、渋谷・東から渋谷駅直結直上の同ビルへ移転。渋谷にこだわる理由について、西村誠司社長は「創業は渋谷の神泉で、当時コピー機も無いスペースで、2人で始めた。1999年から2004年まで赤坂にいたこともあったが、そこでいったん成長が止まった。験を担ぐため、並木橋近くに戻ったら再び伸び始めた」と言い、「働くのも、住むのも渋谷」と強調。さらに「100年に一度の渋谷再開発の事業の中の、一番のランドマークである渋谷スクランブルスクエアではなかったら、きっと移転していなかった」と同ビルへの強い思いを口にした。
オフィスの広さはワンフロア2660平方メートル。広い執務室は、周囲を囲む窓ガラスから「渋谷スクランブル交差点」など渋谷の街を見下ろせる眺望が広がる。全社員数の約3分の一に当たる約100人が働く。移転に向け、「『混じりあい、生み出され、世界へ』をコンセプトに、渋谷の中心からムーブメントを発信し、新たな文化を生み出すステージとなる」を掲げる同ビルのコンセプトに合わせ、空間デザインにもこの考えを反映。
エントランスは多種多様な生物の営みがつながる「森」をイメージ。エントランスに併設する打ち合わせスペースは、木々や小鳥など生命観あふれる有機的なデザインが特徴。時間ごとに変わる外光や夜間照明に合わせて同スペースの表情も移ろう。
ラウンジは空港ラウンジをイメージ。白一色のエントランスに対して、ラウンジはウッディーな素材やブラウンカラーを基調とし、落ち着きと温かみのあるスペースに仕上げた。社員の休憩や食事などの場や打ち合わせ、説明会、イベントなど幅広いシーンでの利用を想定しているという。
新オフィスでは同日、来春の入社が決まっている新入社員37人の内定式も実施。西村社長からの祝辞、内定証明書授与の後、「LGBT」などをテーマとしたグループワークが行われた。内定式に参加した同志社大学4年の村田鈴佳さんは「(渋谷のまちを見下ろせる新オフィスに初めて来て)テレビでしか見たことのない風景なので、テンションが上がる」と言い、さらに「日本で一番先進的な街で働けることにワクワクしている」と来春の社会人デビューに声を弾ませた。