消費税率が10%に引き上げられ、飲食料品(酒類を除く)などの税率が8%に据え置かれる「軽減税率制度」の導入も始まった10月1日、渋谷・原宿周辺のタピオカドリンク店も、店内に税率についての案内を掲出するなどして増税に対応している。
モバイルフードならぬ「モバイルドリンク」の代表格として、味やSNS映えに加え手軽に持ち歩けることも人気の大きな要因の一つとなっているタピオカドリンクは、購入後に店を出て飲むテークアウト需要が高く、その際は軽減税率が適用される。一方で流行の中心地となっている渋谷・原宿かいわいの店にはイートインコーナーを併設する店もあり、店内で飲む場合は税率10%の対象となる。
2015(平成27)年に神宮前に日本1号店(渋谷区神宮前6)を出店し、現在国内42店舗を展開する台湾茶専門店「Gong cha(ゴンチャ)」では、増税前から店内やホームページに増税に関する知らせを掲出するなどして対応。「原宿表参道2nd(セカンド)店」(神宮前6)などイートインを併設する店舗では、「イートインのお客様はご注文時にお申し出ください」(原文ママ)などと書かれた説明書きをレジ上に掲出。会計の際、イートインの人には自己申告してもらい税率をすみ分ける。
ゴンチャは9割ほどがテークアウト利用であることや、客からの申告制にしていることから、増税に伴うスタッフの負担は「ほぼ無い」と言う。ただし、イートインとテークアウトの会計をまとめて行うことはできないため、その際は別会計での対応となる。
台湾発ティースタンド「THE ALLEY(ジ アレイ)」でも、店内にパネルを立てるなどして増税や軽減税率について周知を図る。9月、渋谷・道玄坂上にオープンした旗艦店「THE ALLEY 渋谷道玄坂店」(道玄坂1)では、イートインのほか物販も展開するため、フードの物販は8%、タンブラーなどの雑貨は10%とこちらも2種類の税率が適用される。
ファッションビル「ラフォーレ原宿」(神宮前1)2階に入るタピオカドリンク店「NONARA PEARL(ノナラパール)」は、これまでテークアウト専門で商品を販売してきたが、フロア内に共同の飲食スペースがあるため、購入したドリンクを同スペースで飲む人には税率10%で対応。「基本はテークアウトのみと考えているが、館内で座って飲む方はテークアウトとはいかなくなる。レジで自己申告してもらい、きちんと対応していきたい」(同店店長)という。
そのほか、渋谷エリア周辺では代官山、表参道に出店する台湾カフェ「春水堂(チュンスイタン)」は、イートインはグラスやマグカップ、テークアウトはプラスチック容器と分けているほか、イートイン利用客にはスタッフが客席に注文を取りに行く方式を採用しているため、レジで飲食方法を確認する作業は無いという。