Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が9月25日、渋谷区役所の多目的スペース「スペース428」で開幕直前イベントを行った。
Bリーグ発足の2016(平成28)年から渋谷区をホームタウンに活動を続けているSR渋谷。この日は10月に迫った2019-20シーズン開幕に向け、選手やコーチ陣らが一堂に参加。会場にはチームのグッズを身に着けたファンをはじめ、区の職員らも含め約300人が集まった。
冒頭、チームを運営する日立サンロッカーズ浦長瀬(うらながせ)正一社長は、同日金王八幡宮(渋谷区渋谷3)で行った必勝祈願に触れ「昨年も一昨年もお参りしているが、我々の努力も足りず、結果に結び付けることができていない。3度目の正直と言うことで、皆さんに悔しい思いをしていただかなくていいように、選手・スタッフ・職員一丸となって頑張っていく」と決意表明。
7月にはチームの大黒柱であった元NBAプレーヤーのロバート・サクレさんが引退を発表したこともあり、今季のチームは13選手中約半数の7人が新規加入となったが、「昨年までとは違った新しいサンロッカーズを披露できると思っている。(サクレさんの穴を)埋めるに十分な戦力が整っている」と自信をうかがわせた。10月5日の開幕戦は、ホームアリーナの青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で千葉ジェッツ(以下、千葉)と戦うが、「今シーズンを占う大きな試合になる。ぜひ足を運んでいただき、その雄姿を見守っていただければ。勢いを付けて60試合勝ち抜いてチャンピオンシップに進出し、最終的には日本一を目指して頑張っていく」と意気込んだ。
長谷部健渋谷区長は「一渋谷区民として、チーム名に『渋谷』と名乗ってくれていることをうれしく思う。区を挙げてサンロッカーズを応援したい」とエールを送り、「今年こそさらに上を目指して、街中を黄色い熱風で盛り上げてもらえたら」と期待を込めた。
イベントではシーズンテーマ「結(ゆい)FIGHT AS ONE」を発表。伊佐勉ヘッドコーチは「選手はもちろん、ファンやパートナーの皆さん一人一人手を取り合って結び合って、おのおののポテンシャルを最大限に引き出して、個ではなくチームとして一つになって戦っていきたい」と込めた思いを語った。
選手たちは「チームの中で一番●●なのは誰」をテーマにトークを展開。「一番しっかりしているのは」という質問には、広瀬健太選手と石井講祐選手が多く挙げられた中で唯一「自分」と書いた関野剛平選手は「見たまんま僕」と答え笑いを誘った。司会を務めたアリーナMCのパトリック・ユウさんに「こういうキャラクターなんですね?」と突っ込まれるも、「いや本当にしっかりしているのは、この中で僕」とまじめな表情で答えた。セネガル出身ながら流暢(りゅうちょう)な日本語を話すことから「(第一印象と)ギャップがあった」選手として多く名前が挙がったファイ・サンバ選手が、「日本人だけど日本語があまり分からない」と杉浦佑成選手に指摘すると場内は笑いに包まれた。「一番のムードメーカー」に挙げられたのは山内盛久選手と田渡修人選手。「GK」と書いた田渡選手のボケに対し、山内選手は「誰がグルクン(山内選手の出身地である沖縄の県魚)やねん」と突っ込み、息の合ったコンビを見せた。
最後はキャプテンのベンドラメ礼生選手と副キャプテンの石井選手が来場者にあいさつ。先陣を切った石井選手は「今日は本当おまつ…お集まりいただいて」とかみ、チームメートやファンらに笑いを起こしつつ、「渋谷をホームタウンに活動していく中で、プロチームが存在する意味として試合を見に来てくださった皆さんに活力や元気になるエネルギーを与えられることが使命であり責任。強いSR渋谷をお見せすることと、勝敗以外の部分でも地域の活性化にも貢献できれば」と意欲を見せた。開幕戦の相手である千葉は石井選手の古巣ということもあり、「絶対に勝ちたい相手。開幕戦に来ていただいて会場を満員にして、僕らに力を与えていただければ」と呼び掛けた。
ベンドラメ選手は「新しい選手がたくさん入り、いろいろな個性が集まった。まだまだ分からないことがたくさんあると思うので、シーズンを通してどんな選手なのか知っていってほしい」と期待を込め、「優勝を目標に頑張っていくが、皆さんの笑顔が僕らのモチベーションになるのでホームでの勝利を1試合でも多く皆さんに届けられたら。支えがあってのサンロッカーズ。皆さんも友達などを巻き込んでBリーグの中で最も熱いチームを一緒に作っていけるよう頑張りましょう」とイベントを締めくくった。