米サンフランシスコのアートスタジオRebarが2005年に始めた世界的ムーブメントで、路上のパーキングスペースを小さな公園に変える「Park(ing) Day(パーキングデー)」が9月20日、渋谷・宮益坂で行われた。
「Park(ing) Day」は、駐車場のParkingと公園のParkをかけたネーミングで、世界では毎年9月の第3金曜に同日開催されており、その様子はハッシュタグ「#ParkingDay2019」を付けてツイッターで発信されている。日本では、一般社団法人「ソトノバ」が、2017年に大宮(埼玉県さいたま市)、2018年に沼津(静岡県)で実施しており、今回の渋谷での実施は都内初となった。
渋谷宮益商店街振興組合との共同主催で実現した今回。「ソト」やパブリックスペースに関する人材育成講座「ソトノバスタジオ」タクティカル・アーバニズムクラスの11人が最終的な実践の場として、企画から実施までを手掛けた。
当日は、宮益坂中ほどの渋谷郵便局前付近で行われている「歩行者中心の道路空間」の実現に向けた社会実験の空間を生かし、道路を挟んで2カ所で展開。北側(郵便局側)のスペースでは、人工芝の上に付せんアートのボードやテーブル・椅子、シェードなどを配置し「気軽に立ち寄れる」滞留空間を展開。南側では、車が通り過ぎたり、ビル風が吹いたりする際の風を生かして、風船や風鈴などを使い「五感を楽しませる」よう工夫したという。
宮益坂について、ソトノバ共同代表理事の石田祐也さんは「坂道で、眺めも良く、日陰もあり、ただ座っているだけでも居られる場所。『Park(ing) Day』の場所としてポテンシャルを感じた」という。企画提案を受けた同組合の菅野英雄理事長は「(提案は)大歓迎。空間を使った、このようなアイデアはなかなか出てこない。ただ通り過ぎるだけでは街は面白くない。空間で少しくつろぐことも必要と感じた」と話す。
さらに「『Park(ing) Day』を広く普及させたい」という石田さん。「渋谷の宮益坂で行うということは、相応に高いハードルをクリアしていること。どこの街でも、誰でもできることを(渋谷から)示したかった」と今後の広がりに期待を込める。