渋谷パルコ(渋谷区宇田川町)に来年3月13日再オープンする「PARCO(パルコ)劇場」のオープニングシリーズのラインアップが明らかになった。
渋谷パルコの建て替えに伴い2016(平成28)年8月から一時休館していた同劇場。今年11月22日に開業する新生・渋谷パルコの「パルコ文化のコア中のコア」と位置付ける。渋谷パルコの7~9階に位置し、旧劇場の約1.5倍となる座席数636席に規模を拡張しながらも、最大視認距離(舞台先端から客席最後部までの長さ)が18メートルと舞台と客席の距離感が旧劇場より近くなるなど、全席をS席と位置付ける空間に仕上げる。
新しいパルコ劇場では、年間公演をパルコが100%自主プロデュースする。グランドオープンに先駆け、1996(平成8)年から休館まで旧劇場で上演していた立川志の輔さんによる「志の輔らくご」(1月下旬~約1カ月)と、1990(平成2)年~2018(平成30)年に480回上演した男女のカップルによる朗読劇「ラヴ・レターズ」(2月)をこけら落とし公演として行うことがすでに発表されている。
オープニングシリーズは3月から2021年5月上旬にかけて14作品を公演する。1作目(3月13日~4月20日)は、旧劇場で1985(昭和60)年に上演された舞台「ピサロ」。当時、インカ王アタワルパ役を演じた渡辺謙さんが主演(ピサロ役)で凱旋(がいせん)する。佐々木蔵之介さんが出演する大河ドラマ「佐渡島他吉生涯」(2020年5月)の後、2020年6月~8月には三谷幸喜さんが作・演出作品を手掛ける「大地」(大泉洋さんら出演、6月~8月)、同作終演後に上演するミュージックステージ「三谷幸喜のショーガール」(川平慈英さん、シルビア・グラブさんら出演、7月)、文楽「其礼成心中(それなりしんじゅう)」(竹本千歳太夫さんら出演、8月)を予定する。
「ゲルニカ」(9月)は、演出家・栗山民也さんが作家・長田育恵さんと初めてタッグを組み手掛ける、ピカソの同名絵画から着想を得て作り上げる新作となる。旧劇場で3回上演してきた、生瀬勝久さん、池田成志さん、古田新太さんの演劇ユニット「ねずみの三銃士」も、脚本・宮藤官九郎さん、演出・河原雅彦さんで新作を上演予定(10月)。その後、10年ぶりに同劇場で作品を上演する劇作家で演出家の前川知大さんの作品(11月)、宮本●門(●=亜の旧字体)さんが演出を手掛ける映画「チョコレートドーナツ」の世界初となる舞台版(12月)と続く。
2021年には「志の輔らくご」(1月)、「ラヴ・レターズ」(同)、パルコ劇場の前身となる西武劇場のオープニングとして1973(昭和48)年に初演された「薮原検校(けんぎょう)」(市川猿之助さん出演、2~3月)、天海祐希さんが出演する「レディ・マクベス(仮)」(3~4月)、中井貴一さん主演作品(4~5月)を予定する。