11月1日に開業する渋谷駅直上の高層複合施設「渋谷スクランブルスクエア東棟」(渋谷区渋谷2)が8月末に落成し、9月1日、2階通路の供用も始まった。
渋谷駅の直上に3棟を建設する大規模プロジェクト「渋谷スクランブルスクエア」は、東急電鉄、JR東日本、東京メトロによる共同事業で、旧東横線渋谷駅跡に位置する47階建ての超高層施設「東棟」は3棟の中で最も早く開業する。施設は、地下2階~地上14階を商業エリア、高層部の17階~45階をオフィスエリアとするほか、ビルの低層部と地下部分の一部には立体的歩行者動線「アーバン・コア」を配置。「ダンジョン」とも呼ばれ不便さが指摘されてきた駅内部や周辺への移動を円滑にする役割も担う。
今回供用を始めたのは施設2階の一部で、渋谷ヒカリエ連絡通路と駅東口の2階デッキ(渋谷駅東口歩道橋)をつなぐ通路。通路途中にはオフィスエリアへのエントランスも設ける。明治通りと国道246号線が交わる交差点の上に架かる東口デッキは、昨年東口に開業した複合施設「渋谷ストリーム」とも2階部分でつながっていることから、歩行者が階段などで縦移動することなく移動できる範囲が広がった。
アーバン・コアは1月、東急・東京メトロ渋谷駅の地下改札フロア(地下3階)・地上階(1階)・2階・3階の縦動線と、その周辺の一部で供用が始まっている。
地上47階・地下7階の渋谷スクランブルスクエア東棟には、商業施設に東急百貨店が運営するフロアを含む全212店が出店。14階・45階~屋上には展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」を設けるほか、上層階のオフィスに加え、15階に産業交流施設「SHIBUYA QWS」が入る。
駅直上の大型商業施設の開業で人の流れが大きく変わるほか、来年の東京オリンピック・パラリンピック開催を前に、駅に乗り入れる鉄道各社による各駅舎の改良工事も進む。JR渋谷駅は来春をめどに埼京線・湘南新宿ラインと山手線ホームを並列化。東京メトロ銀座線も、現在東急百貨店・東横店3階に位置する同駅を明治通り上に移設、年明けの1月3日に新ホームの供用を始める。