渋谷駅東口の地下に新たに整備される「渋谷駅東口地下広場」が11月1日、渋谷スクランブルスクエアの開業に合わせて一部供用を開始し、トランジットジェネラルオフィス(港区北青山3)が運営を手掛ける複合カフェやパウダールーム付きの公衆トイレなどがオープンする。
国土交通省が道路などの公共施設を整備・改善し区画を整える「土地区画整理事業」の一環として、渋谷駅周辺の大規模再開発と並行し工事を進めてきた同広場。駅東口では、国道246号線と明治通りが交わる交差点に架かる渋谷駅東口歩道橋の架け替え工事が今年3月に完了している。
広場は東口バスターミナルの地下部分に位置し、広場内には東京都と渋谷区、一般社団法人「渋谷駅前エリアマネジメント(以下、渋谷エリマネ)」の公民連携でカフェや案内所、公衆トイレなどを開設。都市再生特別措置法に基づき、渋谷エリマネが事業主体となり、区が作成した都市再生整備計画による道路占用の特例を活用した。
地下2階にオープンするのは、情報発信や観光案内機能を備える「UPLIGHT CAFE(アップライトカフェ)」。渋谷の玄関口として、駅を利用する幅広い世代が心地よく過ごせる憩いの場を目指すほか、国内観光客やインバウンドに向けた観光案内の場として、店内のデジタルサイネージや展示スペースで「ヒト」「モノ」「コト」にスポットを当てた情報やカルチャーを発信する。
フードメニューは千駄ヶ谷の人気フレンチ「Sincere(シンシア)」の石井真介シェフが監修し、サンドイッチやサラダ、スープなどを提供するほか、ドリンクはフルーツやハーブ、スパイスを組み合わせた「ミクソロジージュース」を用意。ショップインショップとしてベイクショップ「PUFFZ(パフズ)」を併設し、「シブヤ土産」としても打ち出すベイクスイーツを販売する。
地下1階には、都営バス定期券発売所兼案内所を開設するほか、「渋谷区立渋谷駅東口公衆便所」を整備。パウダールームや多機能トイレも備える。
広場には、頭上に旧渋谷川が流れる土木空間をキャンパスとした巨大広告媒体も整備。カフェとも連携し広場全体を一体的に演出できる環境を売りに、広告収益につなげたい考え。カフェや広告の収益は渋谷駅周辺のにぎわい創出やサービス向上などの費用に充てていく。