羽田空港の国際線増便に伴い、新飛行経路の運用開始が2020年3月29日に決まったことを受け、渋谷駅や代々木公園上空などを通る計画となっている渋谷区は8月8日、長谷部健区長のコメントを発表した。
渋谷区内で新たに計画する主な運航経路は、「南風時A滑走路到着(好天時)」(毎時14便程度)が恵比寿駅付近~渋谷駅付近~代々木八幡駅付近の上空を通るルート、「南風時C滑走路到着(好天時)」(同30便程度)が広尾駅付近~表参道駅付近~北参道駅付近の上空を通るルート。
滑走路は、南風運用が年間約4割を想定し、運用時間は15時~19時(切り替え時間を含め実質約3時間)。音は、滑走路から約12キロの距離となる恵比寿・渋谷エリアなどで、高速走行中の自動車内などと同様の約68~74デシベルが最大瞬間値となる見込みで、都心部上空を高度約600メートルで飛行する箇所や旋回する経路などもあることから、区は順次、地元住民らに向け説明会を開いてきた。
長谷部区長は「渋谷区では国土交通省が主催するオープンハウス型説明会に加えて、区内全域を対象とした地域ごとの個別住民説明会を6会場で開いてきた」とする一方で、「説明会後においても、区民からは落下物や騒音等に対する不安の声や意見が寄せられている」と説明。
「区民の安全安心と生活環境を守る立場から、国の責任において引き続き丁寧な説明と十分な情報提供を行うよう、騒音対策や安全対策などに対しても、さらなる取り組みの強化を図るよう、国に対して強く求めていく」と要望した。