タピオカブームの一方で容器のポイ捨てなども問題となる中、「タピオカ専用」のゴミ箱が8月1日、原宿・神宮前交差点そばにあるコミュニティースペース「subaCO(スバコ)」(渋谷区神宮前6)内に設置された。
全国的ブームとなっているタピオカドリンクは、渋谷・原宿エリアでも台湾発ブランドや新業態などの出店が続く一方で、テークアウトしたドリンクは、購入した店から離れ飲み歩きする人が多く、残った液体やタピオカなどの処理も難しいことから、深刻な問題になっている。
こうした問題に解決の糸口を見いだそうと手を挙げたのが、2002(平成14)年に原宿で立ち上がり、街のゴミ拾い活動を行うNPO法人「グリーンバード」(神宮前6)。原宿~表参道間には現在、13カ所にゴミ箱が設置されているものの、形状の大きいタピオカ容器がゴミ箱の投入口をふさいでしまい、その周辺にゴミがあふれかえるなどの光景を連日目の当たりにしてきたという。
7月に原宿に出店した黒糖タピオカ専門店「謝謝珍珠(シェイシェイパール)」(神宮前1)とタッグを組み、タピオカドリンクの容器を模した専用ゴミ箱を、同NPOが運営するスバコ内に設置した。シェイシェイパールの商品に限らず、どの店のタピオカドリンクも捨てられる。
タピオカ容器をモチーフにした専用ゴミ箱はスペース内の奥に設置。背景の壁もグリーンで覆うなど「SNS映え」を狙ったほか、巨大な「ストロー」をゴミ箱の入り口にすることで「思わず捨てたくなる仕掛けにした」(同NPO代表・福田圭祐さん)と言う。ゴミ箱の横にはザルとバケツを置き、飲み残しにも対応する。
手始めに同スペース内に設置し、今後シェイシェイパールの店舗にも設置。多店舗化を計画する同店と組むことで、設置数も増やしていく予定だ。
今回設置したゴミ箱では、回収したタピオカ容器1つにつき1円が、同NPOの活動に寄付されるシステムも導入する。福田さんは「罰則や批判をするのではなく、問題に歩み寄って解決できないかと考えた。購入場所にかかわらず、どんなタピオカブランドの容器も捨てられるゴミ箱。他の店もそうしてもらえたらうれしい」と話す。
スバコの開設時間は13時~18時。火曜定休。12月26日まで。