今年で3回目となる「渋谷盆踊り大会(通称:しぶぼん)」が8月4日、渋谷駅前スクランブル交差点西側の道路とSHIBUYA109(渋谷区道玄坂2)周辺の文化村通り・道玄坂で開催された。主催は渋谷道玄坂商店街振興組合。
渋谷に暮らす人と来街者が「触れ合うことのできる場」を作り、「日本らしい・渋谷らしい文化」を楽しめる場を目指し2017(平成29)年から開催している「しぶぼん」。この日は16時30分から文化村通りや道玄坂を交通規制(車両通行禁止)し、SHIBUYA109前にステージを特設。路上に組んだ櫓(やぐら)は初めて2段組にした。周辺にはちょうちんを装飾したほか、文化村通りなどでは射的やスーパーボールすくいなどの縁日や焼きそば、かき氷などのキッチンカーが出店。地元住民や学生ボランティアが自主警備に当たった。
同組合の大西賢治理事長は「見ているだけでなく、踊りの輪の中に入って一緒に楽しんでいただければ」と呼び掛けたほか、長谷部健渋谷区長は「多くの皆さんが渋谷に集まって、日本の伝統文化を受け継いでここから発信していく素晴らしい機会。安全に楽しく盛り上がっていきましょう」とあいさつした。
盆踊りのオープニングを飾ったのは、「渋谷系」アーティストとして一世風靡(ふうび)したピチカート・ファイヴの3代目ボーカリストを務めた野宮真貴さんもが歌う、「ちがいを ちからに 変える街」をテーマに策定した区の基本構想のPRソング「夢見る渋谷 YOU MAKE SHIBUYA」の盆踊りバージョン。ポップなナンバーに合わせ、ジャンプなどを取り入れた踊りで幕を開けた。
その後、渋谷音頭やオリンピック渋谷音頭、大東京音頭、炭坑節などに合わせ櫓を中心に踊ったほか、演歌歌手の徳永ゆうきさんも登場。「渋谷節だよ青春は!」を披露したほか、徳永さんが歌う「河内おとこ節」に合わせて踊るステージも展開。浴衣を着た地元の人達をはじめ、街に遊びに来ていた若者、外国人観光客らも輪に加わり、見よう見まねで踊る姿も見られた。
企画リーダーの長谷川賀寿夫さんは「こんなにも盛り上がっていただき、最高の気持ち」と喜びを表現。「櫓を大きくして良かった。今までをはるかに超える盆踊りができた」と手応えをうかがわせた。今年は「定番の楽曲」7曲をローテーションしたが、「1・2曲くらい、ノリの良い楽曲などを増やしてもいいのかな」と言い、今後に向け「盆踊りを知っているのは年配の方が多い。『盆踊りっていいな』というのを若い世代にもつないでいく仕掛けをできたら」と話した。来年は東京オリンピック・パラリンピックが控えていることから「この盆踊りの輪のような温かな気持ちで多くの外国の方々を迎え入れることができたら」とも。
この日は約3万5000人(主催者発表)が参加。21時過ぎに盆踊りは終了し撤収作業が行われ、22時30分過ぎには交通規制が解除された。