東急田園都市線・東横線で7月22日、平日朝6時台の臨時列車の期間限定運行が始まった。
乗客にはアプリを通してアイスやおにぎりなどが当たる特典も用意
東急電鉄が取り組む朝ラッシュ時間帯の混雑緩和に向けた施策「グッチョイモーニング」の一環で、2017(平成29)年に始め今年で3年目の運行となる。来年開催される東京オリンピック・パラリンピック期間中の交通混雑緩和も見据えた、交通量の抑制や分散に向けた交通需要マネジメント(TDM)やテレワーク、時差Bizなどの取組「スムーズビズ」に合わせ実施する。
同社では、最も混雑する田園都市線・池尻大橋駅~渋谷駅間の1時間(7時50分~8時50分)の平均混雑率が184%(2015年度、国土交通省の鉄道関係統計より)と高い混雑率であることから混雑緩和や遅延の解消を「重要課題」として挙げている。昨年のダイヤ改正で田園都市線では早朝に列車を増発したことも重なり、乗車率は約70%(田園都市線は渋谷駅到着時、東横線は中目黒到着時)だった。昨年は1日当たり約2300人が臨時列車を利用。「通年で運行してほしい」という声も上がっているという。
田園都市線で運行する「時差Bizライナー」は、中央林間駅発・東京メトロ半蔵門線押上駅行きで運行する。6時に中央林間駅を発車し、他社線と乗り換えのある長津田駅(6時8分発)、あざみ野駅(6時17分発)、溝の口駅(6時27分発)に停車し渋谷駅には6時43分に到着する。以降、東京メトロ線内は各駅停車として運行し、押上駅には7時15分着となる。
東横線で運行する「時差Biz特急」は、横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街駅発・渋谷駅で運行。6時14分に元町・中華街駅を発車後は特急で運転し、横浜駅(6時24分発)、武蔵小杉駅(6時39分発)、中目黒駅(6時49分発)など6駅に停車し渋谷駅には6時52分に到着する。
同社では、同列車の運行でオフピーク通勤を推奨し混雑緩和を図るとともに、スマートフォン向けアプリ「東急線アプリ」を活用しているオフピーク通勤客には、連携企業の商品やサービスの割引などを受けられるクーポンを配信するなどしている。今年はそれに加え、臨時列車車内で受け取れるクーポンを用意。「ベン&ジェリーズ」のカップアイスや渋谷ストリーム内の「金のおにぎりと天白のかつお出汁(だし)」のおにぎり、「レモネード バイ レモニカ」のレモネード1杯などから抽選で1種を進呈する。
東急電鉄鉄道事業本部事業戦略部企画課・課長補佐の梶谷俊夫竹田宏美さんは「(東京オリンピック・パラリンピックが)来年なので、いよいよ本格的にオフピーク通勤やテレワークなどを公共交通機関としてやっていかなくてはいけない」と話し、「快適なオフピーク通勤を体感するきっかけになれば」と利用を呼び掛ける。
運行は今月31日までの平日8日間。