新進気鋭の若手写真家が渋谷を舞台に制作した作品を展示する写真展が6月6日、渋谷モディ(渋谷区神南1)1階にあるソニーグループの情報発信拠点「Sony Square Shibuya Project」で始まった。
「渋谷に集まる流行に敏感な人やクリエーターとコミュニティーを形成し、『共に作る=共創』する場」として昨年10月にリニューアルした同所で、ソニーが東急電鉄、写真家・森山大道さんと共に展開するアート共創プロジェクト「SHIBUYA/森山大道/NEXT GEN」の一環。
展示するのは参加する写真家8人が「渋谷の今」をとらえた作品で、それぞれ毎日展示写真が変わっていく(1枚増える)。作家による作品の音声ガイドをソニーのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン「WH-1000XM3」で聞きながら見ることができ、音声ガイドも毎日更新されている。
参加する写真家と作品は以下の通り。草野庸子さん=自身が撮影した渋谷の写真とネット上などにある同様の場所で撮られた写真を写し比較するようにモニターに映す「Transparent pictures」、NYを拠点にする市田小百合さんは、「傍観者」としての視点という意味を込めて望遠レンズで街にいる人や建物など区内随所で撮影した「Uncovering Shibuya」、小林健太さん=3・4年ほど前、自身が渋谷に住んでいた頃撮った写真や新たに撮り下ろした渋谷の街並みを撮った写真をフォトショップのツールで加工した「N-Tokyo」。
山谷佑介さん=写真を撮ったインスタントフィルムを漂白剤で洗浄して現れるネガ(陰画)を友人の古着店の窓に貼り、時間によって変わる太陽の光で見えるネガの画像をタイムラプスで撮影してストリーミング中継する「Heliograph Project」、川合穂波さん=渋谷に訪れる人の服装や持ち物、看板やスクリーンなど川合さんが思うシンボリックなモノを収めた「渋谷×IMBOLISME」、三保谷将史さん=カメラを使わず、渋谷の百貨店や小売店などあらゆるところで入手したチラシや冊子など無料配布物のデザインを印画紙にプリントした「ご自由にお取りください」など。
期間中は参加する写真家が講師となり、写真を学んでいる学生やアマチュア写真家らを対象としたワークショップも開催する。
8月~9月初旬には同所を含め、渋谷駅周辺でメインイベントとなるアートエキシビションを開催する予定。18~25歳を対象に公募するクリエーターの写真や映像を森山さんら審査し、選ばれたクリエーターや森山さんらの作品を展示する予定。
開催時間は11時~21時。入場無料。写真展は7月29日まで。