今年秋に営業を再開する「渋谷パルコ」(渋谷区宇田川町)に、来店者の属性や回遊データなどを基にAI(人工知能)で展示内容を調節できるショールームストアがオープンする。
クラウドファンディング「CAMPFIRE」(渋谷2)とパルコが共同運営し、デジタル製品やテクノロジー、アイデアなどを「展示」。店頭では商品を販売しない実証実験に特化したショールームストアで、来店客は展示製品にリアルの場で触れられるほか、オンラインで評価もできる。
ストアは、昨年5月に業務資本提携した両社が共同運営するクラウドファンディング「BOOSTER」と連携。PoC(概念実証)やテストマーケティングで実店舗の出店などの流通戦略につなげるほか、出展メーカーにプロモーションの場も提供する。国内外のハードウエアスタートアップや大手メーカー、デジタルコンテンツ・エンターテインメント企業、個人のクリエーターなどを対象に6月4日から出展希望者を募り、初年度で100~150の商品数を見込む。
店名は「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE(ブースタースタジオ バイ キャンプファイヤー)」。デジタル志向の強い客層をはじめ、「多様性のあるさまざまな層」へのリーチを図り、国内をはじめグローバル展開も視野に入れる。
店舗では、ABEJA(港区)の人工知能を活用した店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」を導入。来店客の属性や展示製品に関心を寄せた人数、店舗内の行動パターンなどのデータを匿名加工し出展メーカーに提供することで、柔軟に展示内容を調整できるという。AIを導入する一方で、店舗スタッフと来店客の対面でのコミュニケーションで、直接の意見交換にも期待する。
渋谷パルコ内のテナントはこれまでに、任天堂の国内初となる直営オフィシャルショップ「Nintendo TOKYO(ニンテンドートウキョウ)」やポケモンのオフィシャルショップ「Pokémon Center SHIBUYA(ポケモンセンターシブヤ)」の出店が明らかになっている。