渋谷区は6月3日、タレントの若槻千夏さんを子育て事業「渋谷区子育てネウボラ」のアンバサダーに任命した。
「ママ友の声を集めて区長にぶつけたい」と意欲を見せた若槻さん
フィンランド語で「アドバイス(neuvo)」「場(la)」を意味する「ネウボラ」は、フィンランドの子育て支援システム。区の事業は、フィンランドのネウボラを参考にした取り組みで、妊娠期から産後(子どもが18歳になる)までの支援を図る。2021年8月に神南分庁舎(渋谷区宇田川町)跡に建設する専門施設開設に向け、今年5月20日に仮庁舎があった第二美竹分庁舎に中央保健相談所などを移したほか、育児に必要な衣類や体温計などの「育児パッケージ」配布を始めるなど、段階的にスタートしている。
同事業は本年度4億7,800万円の予算を計上するなど、区が力を入れている事業の一つ。長谷部健区長はアンバサダー任命の経緯について「渋谷は子どもが育つ場所というイメージがないかもしれないが、代々木公園や明治神宮、緑道など緑も豊富で、子育てで面白い場所もあり人もいるので一緒に発信してほしい」と話し、「渋谷愛にあふれ、シティプライドを持っている方。渋谷に住んで活動していているし、渋谷区らしいママの一人だと思うので、引っ張って行って盛り上げてもらえるのでは」と若槻さんを起用した。
現在7歳の長女と2歳の長男の母親でもある若槻さんは、行政から大使に任命されたのは初めて。任命を受け「素直にうれしい」と喜び、「子育て、支援、ネウボラなどは難しく聞こえがちだが、渋谷区が子育ての部分で頑張っているのを知ったので、柔らかく、身近だということもっといろいろな人に伝えられたら」と意気込んだ。
17歳の時にSHIBUYA109(道玄坂2)でスカウトされたのを機に所属事務所がある渋谷で一人暮らしを始めて以降、結婚した現在も渋谷に住んでいるが、「独身の時は買い物などしていたが、結婚して自分自身の目線も変わり、子どもが行きやすい場所やイベントを知った。独身の時に住んでいた時と家族で住むところも違うので、いろいろな渋谷があるんだなと感じている」と話す。子どもとは代々木公園や区内のイベントに足を運んでいるというが、最近は長女が「おませになってきた」ため、カラオケボックスなどに行っているという。ファッションにも興味があるようで、「私が決めた服(コーディネート)は着ない」と笑う。
区では2017年からコミュニケーションアプリ「LINE」を活用した子育て支援サービスを行っているほか、ホームページではAI(人工知能)を使い悩みや相談に自動で応対するシステムも導入している。若槻さんは「今っぽいというか、ママが受け入れやすいシステムを作ってくれているのでどんどん広げていきたい」と関心を寄せた。
長谷部区長が「気さくな方なので、素朴な疑問なども伝えてくれるのでは」と期待を込めると、若槻さんは「子どもは幼稚園から区内の学校に通っているので、多分渋谷区に住んでいる芸能人の中で一番ママ友のコミュニティーは深いと思う。リアルにママ友の声を集められるので、全てかき集めて区長にぶつけたい」と意欲を見せた。今困っていることは「雨の日に子どもが遊ぶ場所」とも。
今月9日(10時~15時)には第二美竹分庁舎(渋谷1)で、ネウボラ事業のオープニングイベントを開催する。当日は、事業を紹介するパネルを展示するほか、育児相談や災害時の持ち出しバックパック展示、ベビーマッサージ講座(当日先着、参加費200円)、産後女性向けの有酸素運動・エクササイズ体験講座(事前予約制、参加費1,000円)などを展開。長谷部区長と若槻さんはトークショーを行う予定。
委嘱期間は2021年3月31日まで。